大河ドラマ「西郷どん」鈴木亮平さん芭蕉布着用

西郷隆盛を演じる鈴木亮平さん(右)と沖永良部芭蕉布協議会の長谷川千代子代表(左)=知名町おきえらぶ文化ホールあしびの郷・ちな=

「島の空気感じる」
沖永良部芭蕉布協議会制作

 【沖永良部】NHK大河ドラマ「西郷どん」で西郷隆盛役を演じる鈴木亮平さんが28日、知名町を訪れ、同町の沖永良部芭蕉布協議会の職人が制作した芭蕉布の着物を試着した。鈴木さんは「触るのも着るのも初めて。涼しくて島の空気を感じられる。この着物で外を歩きたい」と笑顔で語った。

 着物は、大河ドラマの放映を記念して制作。鈴木さんの身長(186㌢)に合わせた特注品で、薩摩藩島津家の家紋「十文字」をイメージした絣(かすり)模様が入っている。完成まで約8カ月をかけた。協議会の長谷川千代子代表(78)らが「どうしても鈴木さんに着てもらいたい」と、同町役場やNHKの関係者に依頼した。

 鈴木さんは、芭蕉布を着用して同町のおきえらぶ文化ホールあしびの郷・ちなに姿を見せた。袖を空にかざし「透けるくらい薄い」と驚きの顔を見せていた。

 長谷川代表は「芭蕉布を着てくれてうれしい。とても似合っている。堂々とした体格に合わせて丈夫な糸で作り上げた。大島紬を30年、芭蕉布を20年間作り続けてきて良かった」と話した。また、鈴木さんの来島に合わせて、帯と同じ糸で作った手ぬぐいと合切袋をプレゼントした。

 28日から沖永良部島で大河ドラマの撮影が始まった鈴木さんは「ドラマの中で最も描きたかったのが、沖永良部と奄美大島の場面。島での生活があったから、私たちが知っている西郷隆盛がいる。愛加那との恋愛はドラマの見どころでもあるし、吹きさらしの牢屋の中で経験した苦しみから敬天愛人の思想が生まれる精神的な流れもしっかりと演じていきたい」と語った。

 着物は、ドラマの撮影では使われないため、着用後は鹿児島市の「西郷どん・大河ドラマ館」に展示する予定。