「ツルヒヨドリ」分布確認

特定外来生物ツルヒヨドリ。南北アメリカ原産。侵略的外来種で、農作物に絡みついて枯らすなどの被害も(環境省提供写真)


ツルヒヨドリの駆除作業(環境省提供写真)

特定外来生物 18年度から本格防除へ
環境省

 沖縄で猛威を振るい奄美大島に侵入が確認されている特定外来生物のつる性植物ツルヒヨドリについて、環境省奄美自然保護官事務所はこのほど、島内での分布状況調査と、一部で駆除を実施して経過観察を行った。奄美市から大和村、宇検村、瀬戸内町の12カ所で繁茂しているのを確認。同事務所は、今年度から本格的に防除に着手する見込みとした。

 同事務所は2016年度から、ツルヒヨドリの分布調査に着手。奄美市笠利町の須野ダム周辺や、同名瀬根瀬部~大和村国直間の県道沿いなどに群生を確認していた。

 17年度の分布調査では、同住用町市などで新たに3カ所の侵入を確認。また大和村今里~宇検村宇検の県道沿いで繁茂している幅約10㍍×高さ約5㍍で、駆除作業を実施して45㍑入りゴミ袋8袋分を回収し、完全に枯らせてから焼却処分を行った。

 ツルヒヨドリの繁殖力が強いため、その後駆除した地点で定期的にモニタリングを実施。同所は「数株がわずかに残り、また生えているのが発見されたが、手で引き抜く駆除作業の効果が検証できた」としている。

 同事務所はツルヒヨドリの花が咲く11~12月の前に駆除作業に着手したい意向。「危険な高所や斜面にある群生について、安全で効果的な駆除方法を検討しながら防除事業を行いたい」との見解を示した。

 奄美自然保護官事務所の岩本千鶴自然保護官は、「ツルヒヨドリの分布が拡大してしまわないうちに、防除に着手してまん延を防ぎたい」と話した。