「新鮮野菜はる市」1周年

「新鮮野菜はる市」1周年

訪れた多くの人々に餅を振る舞う泰山さん(写真右)

CSA本格始動目指す
「点」から「線」「円」へ

 

 奄美大島CSAプロジェクト「ゆいわ~く」主催の「新鮮野菜はる市」が8日、瀬戸内町古仁屋の農協倉庫横であった。同イベント1周年を記念した餅つきなどもあり、会場は多くの買い物客でにぎわった。

 はる市は地場産野菜や加工品などを生産者の手から直接、消費者に販売する直売イベント。瀬戸内町地域おこし協力隊の泰山祐一さんが代表を務める同団体が昨年4月から毎月開催。毎回約10~13事業者の出店があるという。

 泰山さんはこの1年間の成果について、「直接生産者と話すことができるので、売り買いだけでなく人と人との関係ができてきた」と話す。出店者数は天候によって増減があるが、最近では町外からの出店者も珍しくないそうだ。

 同団体が推進する「CSA」とは、生産者が地元農作物をセットにしたものを消費者に届けるもので、代金を支払いながら生産者を地域でサポートする仕組み。泰山さんは「はる市を1年間続けたことで、各農家が作る量や売れ行きがわかってきた。来春以降、作付け計画などを進めたい」と同町でのCSA実現に向けて意気込む。また同町の農業について「地元の人が地元のものを買いたいと思える距離感作りと、農家が個々で動く『点』の動きから、島外向けの販路の情報共有などができる『線』や『円』の流れ作りができれば」とも語った。

 この日は午前10時のイベント開始から1時間足らずで完売する出店事業者も出る盛況ぶり。1周年記念の餅つきでは、同町伊須の音楽ユニット「ふやよみ」が奏でる和やかなサウンドの中で、出店農家らが代わる代わる餅をつき、振る舞われた餅を求めて多くの人が並ぶ姿も見られた。

 今回、キャベツやダイコンなどを販売した同町阿木名の碩悟さん(68)は「会話が成り立つことで客が安心感を持つことができる。地産地消は良いことなので、今後もイベントが大きくなってほしい」と話した。