タンカー周辺浮流油と類似

タンカー周辺浮流油と類似

漂着ゴミなどにも付着した油状物(14日、龍郷町円海岸)

第十管区海保 沖永良部・与論漂着油と比較

「海水汚染確認されず」

 第十管区海上保安本部は21日、沖永良部島と与論島に漂着した油状物の構成成分が、1月14日に奄美大島西方沖で沈没したイランのタンカー「SANCHI号」付近の海面に浮流する油と成分の比率が類似していることを発表した。これまでの分析で類似性が認められなかったものについても「同船と関係がないと断定することはできない」としている。

 同保安本部は今月6日、十島村、奄美大島、喜界島に漂着した油状物を分析した結果、同号付近の浮流油と類似するものだという結果は得られなかったとしていた。今回は今月8日に沖永良部島、与論島に漂着した油を分析。重油か原油相当の油であることが判明した。ただし、同様に分析を行っていた加計呂麻島、与路島、請島、徳之島で採取した漂着油と同船付近浮流油との類似性は確認できなかったという。

 また海上保安庁は1月29日から今月2日までの間、同船周辺海域と沖縄周辺から南九州沿岸にかけての14カ所で採水・油分の測定を実施。測定の結果、すべての測定箇所で、事故以前の値と変わらない値となり、油による汚染は確認されなかった。

 同庁は20日から同じ場所での油分量の変化を確認する目的で、環境省と協力し、同14カ所の採水調査を再び実施。調査は24日までを予定している。