市長、バーレーン渡航へ

市長、バーレーン渡航へ

世界自然遺産登録の可否決定を見据え、市当局が朝山市長のバーレーン出張予定を説明

世界自然遺産登録 決定瞬間、現地から発信
6月議会を日程調整

 2018年の世界遺産登録の審査会合が6月24日から7月4日に中東のバーレーンで開かれ、自然遺産登録の候補地となっている「奄美大島、徳之島、沖縄本島北部および西表島」が可否決定されるのを受け、朝山毅奄美市長が会合出席のため現地入りすることが17日、わかった。同日開かれた、同市議会の議会運営委員会(伊東隆吉委員長)の中で市当局が渡航予定を明らかにした。

 同市プロジェクト推進課によると、可否発表が有力視されている「7月1日」は、会合開催地の首都・マナーマと市内(名瀬・AiAiひろば予定)をインターネットで同時中継。決定の瞬間を現地から発信し、喜びの声を伝えるため、市長と副市長と電話でのやり取りなどを計画しているという。なお同国との時差はマイナス6時間。

 委員を前に同課は昨年9月ごろ、政府筋から会合への参加打診があったことを説明。国や県、沖縄と連携した世界自然遺産のバックアップを積極的に行い、オブザーバーとしての参加意義を強調。「国内外に向けた、大々的な奄美のPRにつながる」(同課)とし、同行職員2人を予定する渡航計画、それに伴い市長渡航までに閉会する、18年第2回定例会(6月議会)の日程調整に議会側の理解を求めた。

 委員は「歴史的な出来事に関連した公務」として、当局が示した調整案を了承。定例会は6月1日開会、25日までの25日間とし、常任委員会(総務企画、文教厚生、産業建設)は15・18日の2日間開催となった。

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 歴史的決定が迫り、国や県など関係機関の動きもあわただしくなってきた。同市関係者によると、会合期間のうち、6月29日~7月1日は遺産新規登録の審査日程とされ、「文化」「複合」「自然」の審査過程で随時、発表される見通し。審査に向け日本政府は、奄美・沖縄地域の自然遺産候補のほか、文化遺産候補の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本)の2登録を推薦。関係機関の現地入りは、その前後となる模様。

 沖縄県側は知事、副知事の現地入りについて「前向きに最終的な調整、検討を進めている」とコメント。同県世界自然遺産推進室によると、県内候補地とのパブリックビューイング(PV)を計画し、「全域的に盛り上げていく」(同室)として関連イベントの計画を進める方針だ。

 鹿児島県は当日、県本土(鹿児島市内)、奄美大島、徳之島でのPV実施を計画。なお知事や担当職員の現地入りなどは「日程詳細の確認を踏まえ、検討したい」と述べるにとどめた。また奄美大島、徳之島の自治体は「地元で吉報を待ちたい」として、首長や関係職員のPVへの参加意見が占めている。