新船フェリー「かけろま」運航再開

古仁屋漁港可動橋の修復工事が終了し、6日から新船での運航再開となったフェリー「かけろま」

約1年4カ月ぶり 安全管理徹底心がけ

 瀬戸内町の古仁屋漁港と、加計呂麻島の瀬相港、生間港を結ぶフェリー「かけろま」の新船(約197㌧)が6日、約1年4カ月ぶりに運航を再開した。同町商工観光課船舶交通係は「安全確保のために新船の運航再開が遅れてしまい、ご不便、ご迷惑かけました」と陳謝した上で安全管理の徹底に心がけるとした。

 2016年12月1日に就航した新船フェリー「かけろま」は同月29日に古仁屋漁港岸壁の発着施設に衝突し、運航休止となった。17年3月30日からは同漁港旧岸壁(Aコープ瀬戸内店横)を発着場に、旧船を使用して運航を再開していた。

 同年9月に町は同旧岸壁を新船に対応させるべく水深を深くする浚渫=しゅんせつ=工事を実施。同月中に浚渫工事を終了したが、安全面の問題から同旧岸壁からの新船就航は見送った。衝突した可動橋修復工事に関しては今年2月下旬の完成を見込んでいたが、可動橋内部まで損傷が見られたため工期を延長。3月30日に完了し、新船の着岸訓練などを経て6日に新船での運航を再開した。

 同日、同旧岸壁から変更となったフェリー発着場横の「せとうち海の駅」には多くの利用客が集まった。しかしこの日は、天候不良により午後2時古仁屋発瀬相行き便以降3便が欠航。フェリーを待っていた加計呂麻島芝の加藤由美子さん(65)は「長い間運航再開を待って欠航とはどういうことか」と落胆し、「今後も事故があるのではないかと思って不安」ともこぼした。加藤さんによると、食料品などの購入後に乗船することを考えれば、旧岸壁の方が利便性は高かったという。

 同係担当者は「今後も船員や運航管理者一人ひとりが安全を意識し、航行に慣れていく必要がある。慎重に進めるので、町民の皆さまにも長い目を持って協力してほしい」と話す。また、発着場の変更については「旧岸壁は風向きによっては着岸が困難。今後は安全面を考慮し、訓練しながら、代用岸壁として活用できるようにできれば」と語った。

 海の駅内に事務所を設置する奄美せとうち観光協会は「新船での運航になっても欠航の可能性は自然現象なので仕方ない。訪れる前に運航状況を確認してほしい」と呼びかけている。