還暦のパラリンピアン

平野健子さんと練習に励む竹山さん=横浜市立野小学校体育館

奄美バドミントン総合選手権に出場する東京パラリンピックバドミントンで強化指定選手の竹山さん=アクサ生命にて

パラバドミントン 強化指定選手・竹山隆人さん(奄美出身)
練習に打ち込む日々 最年長の希望の星「気張らんば」

 【東京】3年前。東京パラリンピックの正式種目にパラバドミントンが決まった。軽度の下肢障がいでバドミントンを23歳から続けてきた奄美出身の竹山隆人(たかひと)さん(アクサ生命)は、「オリンピックに出られるようになる・・」と、日本障害者連盟のバドミントン部門で東京パラリンピックの強化指定選手として練習に励んでいる。

 3月2日には、奄美バドミントン総合選手権に出場する竹山さんは「やー、あんまり練習してないんだろう」と島で言われないために、仕事の後、横浜市内の体育館で練習に打ち込んでいる。

 竹山さんは3歳のときに高熱が出て、小児麻痺を患い、左足が極端に細く成長が遅れた。
名瀬中までは島で生活したが、上京。就職した会社の社長から「高校は行った方がいいよ」と勧められ、日比谷高校の夜間部を卒業。その後、しばらく島に戻るが、そのときにバドミントンを始めた。23歳のときだった。

 再上京してからもバドミントンは続け、日本障害者連盟の大会での成績は負けなし。1月に長崎で開催された全日本障害者バドミントン選手権では、シングル優勝、ダブルス準優勝の輝かしい成績を残し、2年前にはミックスダブルスで110歳コンビを組んだ平野健子さんと横浜の大会に出場して優勝を果たしている。

 2017年の正式強化選手に決まったときは、「プレッシャーにおしつぶされそうだった」が、世界や国内転戦を支えてくれる会社やパラリンピアンズ協会の人たちの「頑張れ」と背中を押されたことで、ラケットを抱えて各地を回る。

 還暦を迎え、最年長の強化指定選手。「狭い門をくぐれるのは至難の業。でも、最年長の希望の星のように言われるので、気張らんば」とはにかむ。

 2日に奄美に凱旋する竹山さんの雄姿をとくとご覧あれ。応援もよろしくお願いします。(永二 優子)