落下果実の適正処理を

主にポンカンなど落下した果実約500㌔を埋没処理した

園に放置、ミバエ増殖温床に
地区農業青年ク

ミカンコミバエの早期根絶を目的に、大島地区農業青年クラブ(元井雄太郎会長)の会員約20人が28日、研修を兼ねて落下したポンカン等の果実の廃棄作業を行った。緊急防除により今後、国から果実の廃棄命令が出されるが、園内で落下した実を放置しておくとミバエ増殖の温床となる危険があるため、同クラブ会員らが研修で適正な廃棄方法を学び、周囲の農家にもミバエ防除に向けた落下果実の廃棄を促したい考え。

同青年クのほか、県大島支庁や奄美市の農政担当課職員らも同行した。収穫期を迎えているポンカン等の落果が目立った同市住用町内の園地2カ所で園主許可のもと作業を実施。

2カ所の園地で約500㌔分の落下果実を回収。果実はナイロン袋に入れ、しっかりと封をした状態でトラックに積み込み、同町内に確保した所定の場所で埋没処理を行った。極端に腐敗した果実については回収せず、その場でつぶし処理した。

元井会長は「ありがたいことにミバエ根絶に向けて若い農家がやる気に満ちあふれている。今回の研修で廃棄法など理解した会員が、それぞれの地域の畑で助言役を担ってもらいたい」と研修の趣旨を説明。「落下果実を自主的に回収し廃棄するところまでは、それぞれの農家に課せられたミバエ防除の役割と思う。できれば各農家が責任を持って処理してもらえたら」とも話した。

タンカン農家の平井寿樹さん(38)は「果菜類など野菜を栽培している農家も今回の研修に参加してくれている。タンカンなど生産量が多い果実の動向にどうしても注目は集まるが、ミバエ問題に対する危機感や不安はどの農家も同じ。特に若い農家が団結し、今後も互いの状況を気にかけあいながら取り組んでいけたら」と語った。

ミバエの増殖を絶つには廃棄する果実を1㍍以上埋設し、さらに転圧する必要がある。廃棄量の少ない農家については名瀬朝戸のクリーンセンターへの持ち込み(市の条例で30㌔未満は無償)も奨励されているが量が多い場合などは、県大島支庁や各市町村の農政担当課に廃棄方法や場所について相談してほしいという。