沖永良部で「墓正月」

親族が集まり祖先と共に新年を祝った=知名町田皆集落=

祖先と新春到来喜ぶ

一重一瓶持ち寄り親族で
 【沖永良部】沖永良部島の伝統行事「墓正月」が16日にあった。知名町田皆集落の共同墓地では、午前中から親族が一重一瓶を持ち寄り、祖先と共に新年の到来を喜んだ。

年の暮れに各家庭に迎えた祖先の霊を、再び墓へ送る行事。同集落では1953年に沖永良部島が日本復帰した後、新生活運動の影響で墓正月が途絶えた時期もあったが、昔ながらの風習を残そうと復活させた経緯がある。

共同墓地では、同日早朝から集落住民が集まり、墓前に花を供え酒宴を開いた。この日のために帰省した出身者も多く、親族や友人らと酒を酌み交わしながら歓談する姿が見られた。

子や孫、友人など11人が集まった白石千代さん(86)は「朝から家族みんなで料理を準備した。この日のために大阪から親せきも来てくれてうれしい」と笑顔で語った。

午後からは、昨年中に不幸があった家庭を住民が回り、祖先と新年を祝った。