シマグチの伝承活動各地で

かるたを取る児童たち(東城小中学校)

方言の日2
あまみエフエムで放送された「方言の日」の特別番組

「方言の日」にちなみ
学校行事やラジオ放送

 大島地区文化協会(事務局・大島支庁総務企画課)が奄美の方言の伝承を目的に定めている「方言の日」の2月18日、奄美では、方言に親しんでもらい、方言伝承につなげようとする取り組みが各地で見られた。

 奄美市住用町の東城小中学校(岩切博文校長)は、「島口(方言)ことわざかるた大会」を実施。2013年から行われているもので4回目。NPO法人奄美島おこしプロジェクト(本部・同市住用町)が手掛け、奄美に伝わることわざや格言が島口で表記してある「奄美方言島口ことわざかるた」を使用して全児童が札を取り合った。

 札には島口や共通語訳などが書かれていて、「良い友人(どぅし)や一生ぬ宝」、「家(やー)慣れどぅ 外(すとぅ)慣れ」などといったものがあった。同法人の山田薫会長(84)や児童らによって読み札は島口で読まれ、大型かるたを取り合った際には、札を取った児童が札を周囲に見せながら島口で札を読み上げた。

 6年の寿めぐみさんは「自分たちに子どもができたら方言を伝えていけたらいい。覚えるのは大変だがみんなで覚えるのは楽しい」。山田会長は「昔のように親子で島口を話すのは難しいと思うが、昔の人はいい言葉を残しているので受けついでほしい」と話した。

 奄美市名瀬のコミュニティFM「あまみエフエム」は、「方言の日」にちなみ、朝から多くの番組でパーソナリティーなどが方言を積極的に使った。同局は2007年の開局以来、毎年「方言の日」はこのような取り組みを行っているという。

 午後2時からは特別番組として「ふとぅば(方言)の日スペシャル」を放送。島ユムタ伝える会のメンバーがゲストとして招かれ、パーソナリティーと島口トークを繰り広げた。

 同会の保宜夫事務局長(74)は「FMさんがこうした活動をしてくれるのは伝承において大事。最近は子どもたちの中にも『うがみんしょーらん』などあいさつを使える子が増えてきている」。同局の麓憲吾代表理事(45)は「普段から島の文化を伝えることは心掛けているが、きょうは朝から島口をたくさん放送している。今後も自分たちの文化を伝えていきたい」と語った。

 奄美の方言は、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の2009年の発表で消滅の危機にあるとされている。