“とくの島”観光・物産フェアin東京

年々人気と知名度が上がる「春一番」。販売開始から行列ができ、わずか2時間で完売

徳之島産新じゃが 2㌧2時間で完売
南の島の「春一番」お届け 「将来はオール奄美で」

 【東京】関東徳州会〈徳之島三町郷友会〉は21日、徳之島産新じゃがいも「春一番」とともに徳之島をPRする「第4回“とくの島”観光・物産フェアin東京」を代々木公園(渋谷区代々木神園町神南2)イベント広場で開催した。好天に恵まれ、会場にはこれまでで最も多い延べ2万人が来場。美味しい新じゃがをさらに美味しく味わってもらおうと、出身者たちが島の食材とコラボさせたアイデアメニューに行列ができたほか、販売用に用意した2㌧は午前9時半の開場から約2時間で完売。さらに野外ステージでは観客と一体となるパフォーマンスが途切れることなく続くなど、終始大きな盛り上がりを見せた。

 東日本大震災の際に関東徳州会青年部が被災地支援を島の生産者に呼びかけ、新じゃが「春一番」20㌧が無償提供されたことをきっかけに、この生産者たちの志に報いたいと13年から開始された「春一番」のPRイベントは、年を重ねるごとにパワーアップ。今回は徳之島3町の有志やJAあまみ(徳之島・天城両事業本部)の後援、徳之島観光連盟と出身者が事業主となっている㈱ユウジンコーポレーション、㈱ハーツの協力を得て開催されたほか、徳之島以外の出身者たちもイベントに賛同。販売ブースは25に上り、年々裾野を拡げている。

 東京ではなかなか手に入らない「春一番」は、以前買い求めてその美味しさを知ったリピーターが多く、イベント開始前に訪れて販売を待ちわびる人も。今期は収穫のタイミングに雨が多く掘り進むのが遅れているため、イベントで用意できた「春一番」は2㌧。1箱5㌔㌘の箱売りのみとなったが、販売開始と同時に郵送の手配を希望する来場者の列が延びた。また、徳之島産のタンカン1㌧も同様に箱で販売。ミカンコミバエが確認されたことによる移動禁止措置で、奄美大島産のタンカンが出回らなかったことも影響し、多くの客が「春一番」とセットで購入、瞬く間に完売した。完売後もブースを訪れる客があり「もう売り切れ?」「うそ~、残念」など肩を落とす姿も。

 人気の高さを目の当たりにしたJAあまみ徳之島地区野菜部会 ばれいしょ部会の太田淳一会長は「関東のジャガイモは北海道圏だが、徳之島産は日本一早く出荷される、付加価値のある特別なジャガイモ。関東の人たちに自分たちの商品を宣伝できる場、来年は『春一番』の量を倍増して臨みたい」と意欲を語った。

 会場では、徳之島出身者で構成する団体等が出す屋台で「春一番」を使った様々な料理も提供された。今年はイベントの趣旨に賛同し、東京奄美会青年部、奄美高校「配田ヶ丘同窓会」、奄美群島36・37年生「丑寅会」など、「徳之島」の括りを超えて出店するチームもあり、それぞれが「春一番」と地元食材とのコラボメニューを販売。島味噌とネギのベイクドポテトや奄美市名瀬大熊のカツオ節をふりかけたフライドボテト、トビンニャを入れたコロッケなど発想豊かなジャガイモ料理も飛ぶように売れ、早々に商品がなくなるブースもあった。

 野外ステージは平山徳廣関東徳州会会長、大久保明伊仙町長、浜口正仁徳之島観光連盟長、JA徳之島地区ばれいしょ部会の太田会長、初代ミス春一番の池田恵奈さんらのあいさつで開幕。島唄ユニット「すもも」やASAKI、PPP、The Warenka、安田竜馬、福田政博、あずままどか、禎一馬―と徳之島出身アーティストが一堂に会し、笑顔と熱気あふれるパフォーマンスで観客を魅了した。徳之島らしい闘牛なども披露され、最後はステージも客席も「主役」になる圧巻の盛り上がりで完全燃焼。

 第1回からイベントをまとめてきた保岡達也大会本部長は「今回は徳之島だけでなく、奄美大島の各会からも力を貸してもらえた。2020年開催の東京オリンピックのメイン会場から近いこの場所は、世界から人が集る場所になる。賛否両論あるが、先々はオール奄美で結束して奄美にしかないものをPRしていけたら」と語ったほか「イベントの中心は青年部だが、年齢は高めで企画のイメージも限界がある。これからは自分たちが責任を取るから、20代、30代が若い発想を生かした斬新な企画をしてほしい」と話し、次回以降、より一致団結した盛大なイベントへと成長していくことに期待を寄せた。