思い伝える商品開発を

パッションフルーツを使用した加工品を試食し、特徴に理解を深める参加者ら

パッション付加価値研修会
試食し評価 加工品の品質向上理解

 県大島支庁農政普及課主催の奄美の農産物付加価値化研修会が26日、奄美市名瀬の奄美会館であった。主にパッションフルーツを使用した加工品の試食を行い、参加者間で評価を実施。各加工品の製造方法や販売促進の取り組み、販路開拓などについて意見交換し、加工製品の品質向上に理解を深めた。

 研修会は奄美の農産物の付加価値化に向けて、生産者などが加工商品を披露する機会を設け、加工品づくりの機運を高め、商品性向上などを目的に開催。パッションフルーツ生産者や「あまみならでは〝食〟魅力アップネットワーク」会員など約60人が出席した。

 互評会では8団体が制作したソースやスムージー、ジャム、ゼリーなど9品について発表。生産者が素材や商品のこだわり、商品化の工夫などを紹介した後、参加者間で試食を実施。なかには加工品では珍しいパッションフルーツの皮を使用した製品もあり、各商品の特徴に理解を深めた。

 参加者からは「素材の良さが生かされ、完成度が高い」「さわやかな酸味があり食べやすい」など好意的な意見がある一方、「消費者のターゲットをどう考えるか」「発表商品のコラボレーションの検討を」「通信販売を上手に活用すべき」など、販路拡大に向けた指摘もあった。

 鹿児島市にあるマルヤガーデンズ事業本部で、飲食部門チーフを担当する田代拓也さんは、「商品の最終地点を見極めて製造することが大切。生産者の思いやこだわりが伝わり、旬で安全・安心な商品が消費者へ販売しやすい」とアドバイスした。

 互評会後には、パッションフルーツの種子に含まれる「ピセアタンノール」のアンチエイジング効果に注目した、商品開発の事例発表もあった。