奄美市まなび・福祉フェス

ネコの適正飼養について講演する長嶺理事長

160228奄美市まなび・福祉フェスタ子どもたち
自身の将来の夢などを発表した市内の小中学生ら

沖縄のNPO長嶺理事長 ネコの適正飼養訴え
飼養条例の強化提言

 市民に学びの場を提供する「奄美市まなび・福祉フェスタ」(同実行委員会など主催)が28日、同市名瀬の奄美文化センターであった。午前中は環境講演会があり、NPO法人「どうぶつたちの病院・沖縄」の長嶺隆理事長がノネコ問題について講演。長嶺理事長はノネコの数抑制に向け、ネコの適正飼養への理解を呼びかけるとともに、ネコ飼養条例を強化する必要性を訴えた。

 ネコは国内ではイヌと並び、約1千万頭飼養されている最も人気のあるペットだが、飼い主によって飼養方法が異なる。外での飼育はロードキルや病気の罹患率が上昇するほか、ノネコ・ノラネコになり希少種や生態系への影響も懸念されるが、長嶺理事長は「飼い主が正しく飼育すれば、いずれも起こりえないこと」と強調。できる限り室内での飼養を推奨した。

 同NPOは沖縄県のやんばる地域や西表島で、ノネコの捕獲から避妊去勢手術、人間への順化、里親譲渡などの活動を行い、約10年間で1360頭を保護収容している。だが、ネコの繁殖能力や活動資金面など課題解決には問題点もあり、特に活動地域と比べて人口が多い奄美大島のノラネコ・ノネコについて、飼い猫同様約6千頭を推計しており、対策の難しさを指摘する。

 長嶺理事長はノネコ対策として、①希少種の生息地からの捕獲排除②避妊・去勢手術による繁殖制限③捨てさせないキャンペーンの実施―を列挙。上記三つを推進するためのルールとして、罰則規定導入やマイクロチップ登録義務化など、一定の強制力を伴うネコ飼養条例の施行を提言。捕獲して順化させたネコの引受先など、起こり得る課題についての検討する必要性にも言及した。

 長嶺理事長は「適正に飼養しない人がいなくならない限り、改善は見込めない。ノネコの問題は奄美・琉球の世界自然遺産にも大きく関わる問題。解決には行政の支援体制はもちろん、民間団体との協働、市民の理解・協力が求められる」と訴えた。

 午後からは「あまみっ子ビッグ・ドリーム・コンテスト」があり、市内の小中学生16人が自身の将来の夢などについて発表。同市「花づくり・花いっぱい運動」の表彰式もあり、最優秀賞には朝日中学校が輝いた。

 そのほか一万人広場など周辺会場では、福祉・生涯学習関連の展示、体験コーナーのほか、バザー、物販ブースが設けられ、多くの市民でにぎわった。

 最優秀賞の朝日中学校を除く「花づくり~」の表彰結果は次の通り。
 【優秀賞】赤木名小学校、金久中学校、奄美小学校
 【優良賞】名瀬小学校、崎原小中学校、佐仁小学 校、市小中学校、知根小学校、笠利小学校
 【特別賞】宇宿小学校、小宿中学校