鹿児島バスケットサミット最終日

試合終了間際にシュートを決める飯隈⑦

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奄美からジュニアオールスター壮行試合に出場した中学生。左から飯隈、山田、中元=県体育館

「力出せず、悔しい」
鹿児島を引っ張る選手に 飯隈(城ケ丘)

 【鹿児島】鹿児島バスケットボールサミット2016最終日は13日、鹿児島市の県体育館であった。中学生のジュニアオールスター男女壮行試合では奄美からも男子の山田響生(金久)、中元聡師(同)、女子の飯隈吏子(城ケ丘)の3人が出場。バスケット部がない城ケ丘から選ばれた飯隈にとっては、数少ない実戦が経験できるまたとない機会だったが「力を出せず、悔しい」とほろ苦い結果となった。

 1年生で伊集院北中にいた頃は、県選抜の強化選手に選ばれていたが、2年生で親の転勤で城ケ丘中に転校。学校にバスケット部はなかったが「選抜チームにいた1つ上の先輩たちのプレーに魅せられて」バスケットを続けた。平日は体育館で個人練習。週末はバスケット部がある知名中の練習に混ぜてもらう。「1人で練習していると手を抜きそうになる」弱い気持ちに負けそうなときは、選抜チームで仲の良い黒木和花(坂元)らが「一緒のチームで頑張ろう」と励ましてくれたことを思い出した。

 努力の甲斐あって選抜チーム入りし、11月以降に本土でチームの練習があった際には必ず参加した。年末年始に本土に帰省した際は、坂元、鴨池などの練習に混ぜてもらった。身長176㌢はメンバー12人の中で一番大きく、前田孝一監督は「頑張る気持ちが見える」ところを評価してメンバーに選んだ。「大きな選手は技術的なものを身に着けるのに時間がかかるけど、経験を積めば大きく伸びる。将来は鹿児島を引っ張る選手になって欲しい」と期待を寄せている。

 サミットでは、28日から東京であるジュニアオールスター大会に向けての壮行試合ということで、2学年上の高校1年生選抜チームの胸を借りた。スタメンに抜擢された飯隈は「積極的にプレーしたい」と意気込んだが、約1400人の大観衆の前での緊張もあり、思うようなプレーができない。体格に勝る高校生を相手に、インサイドのポジション争いを制することに苦しんだ。「もっとリバウンドに入るタイミングを磨いていかないと」と自分の課題がみえた。

 選抜チームで仲の良い黒木や、視野が広くて力強いリーダーシップを発揮するフェスターガード(吉野)、3ポイントが得意な徳田(れいめい)、力強いドライブをみせた加藤(緑丘)らチームメートのプレーに刺激され、ベンチにいる間も「自分も試合に出て、チームの役に立ちたい」と気持ちが熱くなった。短い出場時間でなかなかボールに触れず、リバウンドを2つとっただけだったが、試合終了間際に唯一のシュートを決めて意地をみせた。

 ジュニアオールスターは中学生で公式戦に出る最後の機会になる。「2年間の自分のバスケットを出し切って、たくさんの思い出を作りたい」と意気込みを話していた。
(政純一郎)