首都圏消費者の声を商品に

島ごとに出したテーブルは人だかりになる時間帯も多くあり、「奄美産」に対する消費者の関心の高さを伺わせた

「ぐーんと奄美」で物産販売
パパイア漬やドラゴンフルーツジャムなど

 【東京】「声を生かしてより良い商品作りへ」――奄美群島広域事務組合は26日、奄美のアンテナショップ「ぐーんと奄美」(中央区日本橋浜町2)で奄美産加工品などの物産販売会を開催した。行き交う人々は「奄美群島からの出店」に強い関心を示し、パパイア漬やドラゴンフルーツのジャムなど、見るのも口にするもの初めての商品を試食。商品の味や価格はもちろん、デザインやパッケージなどについての意見も多く集まり、参加した事業者は今後の商品改善に多くの気づきを得ていた。

 今回は、同組合で取り組んでいる「特産加工品商品開発・販売力向上人材育成事業」の一環で実施。首都圏で島の商品を試験販売することで、消費者の反応・評価を商品に還元していこうとするもの。同事業に参加している事業者は20あり、今回は特に商品の価格やデザイン、販売方法などを模索し、よりよい商品作りを目指す4事業者が参加した。
 出店したのはマルミ製菓(純黒糖等/喜界島)、盛福堂(パパイア漬、マンゴー羊かん、かしゃ餅等/徳之島)、サロンバー エスポワール(ジャガイモのポタージュスープ/沖永良部島)、与論奉果はな(ドラゴンフルーツジャム、ぷちムッチャー/与論島)。

 当日は厳しい消費者の意見を聞くため、事前の告知をあえてせず、通りすがりの人たちに向けて販売スタート。島外で出店は初めてという事業者もある中、積極的な声かけでアピールすると多くの人が足を止め、興味深げに商品を試食。「珍しい」「美味しい」と奄美産の加工品に強い関心を示して購入したり、販売者との会話を通して奄美への旅に思いを馳せる人も多かった。

 また、アンケートでは「価格をもう少し安く」や、食品が複数個まとめて入っているものに対して「日持ちなどの面で個包装の方がいい」などの意見、パッケージを開ける際に「中身が飛び出してしまいそう。量を少なく食べやすい形にした方がいい」など、それぞれの商品に対して具体的な意見も。参加した事業者は「こういうところに来て生の声を聞くことで、色々なものが見えてくる」などと話し、様々な面で収穫を得たようだった。

 全国の特産品販売などに対する講師やアドバイザーを務め、同組合の事業にも協力している「食のデザイン」代表の西原昌男さんも応援に駆けつけ、販売の様子を視察。「客の声を聞くと、自分たちの商品の良い面も悪い面も持ち帰ることができる。それを今後の商品作りに生かせるので、こういう場に出るのと出ないのとでは雲泥の差が出てくる。特に離島の場合は島外で刺激を受けることが少ないので、直接声を聞くことは大事な取り組み」など、ほかの事業者の参加や、こうした場の機会の提供などの重要性を語った。

 同販売会は27日も開催。時間は午前10時~午後5時まで。