九州がんセンターに絵画寄贈

寄贈した絵が飾られ、喜ぶ山田さん(右)と大島医長(左)=提供写真=

笠利町出身の山田さん
80~100号の大作フロアに

 奄美市笠利町出身の山田忠義さん(72)=福岡県福岡市=はこのほど、福岡市に移転オープンした国立病院機構「九州がんセンター」(藤也寸志病院長)に自作の油絵22点を寄贈した。同センターの1階フロアには、霧島市の伝統芸能「霧島神楽」をモチーフにした油彩80~100号の連作3点が掲げられており、山田さんは「来院者やその家族に『癒し』を感じてもらえたら」と語った。

 寄贈のきっかけは、福岡県人会で同センター・サイコオンコロジー科医長を務める奄美市名瀬出身の医師・大島彰さんとの交流から。山田さんの申し出に大島さんは快諾。センター関係者の協力を得て、現在、1階フロアのほか、1~7階のエレベーターフロア、応接室に絵が掲示されている。

 同センター管理課は「往来の多い通路に絵画を展示することで、施設内に親しみが出る。今回の作品寄贈に感謝したい」とした。

 山田さんは、大島高校卒業後、当時の電電公社(現NTT)に入社。勤務する傍ら、絵画の創作活動を続けた。専門家の指導を受けながら、港や建造物、街角などをリアルに描く具象派として、これまでに80号以上の大作を約70枚完成させたという。

 今後について「昔から絵を描くことが好きだった。このような形で地域貢献できたことはうれしい」と山田さんは話した。