「あまぎユイの里医療センター」完成・開院

「あまぎユイの里医療センター」落成・開院式=3月31日、天城町

在宅医療も充実へ
天城町・徳洲会◎小児科含む総合診療

【徳之島】天城町総合防災拠点整備事業で整備中の3施設(防災・医療・保健センター)の一つ、「あまぎユイの里医療センター」の完成および開院式典・祝賀会(天城町、医療法人徳洲会主催)が31日開かれ、4月1日から診療開始となる。小児科を含む総合診療のほか、6月に開所予定の町保健センターとも連携して在宅医療の充実も図るという。

同町総合防災拠点整備事業(2013年度~16年度)は、?町中央公民館の老朽化②医療環境の問題③町保健センターの老朽化に伴い、同3機能を現中央公民館グラウンド、町立図書館とユイの館裏敷地などに集約。大災害時など非常時の「総合防災拠点」として即応できる一体的な防災環境を確保し、安心安全な町の実現が目的。

昨年着工した3施設の概要は、▽防災センター(11月末に完成予定)=鉄筋コンクリート2階建て(延べ床面積2652・4平方㍍)、事業費18億1263万9千円▽医療センター=鉄筋コンクリート1階建て(同586・3平方㍍)、事業費2億593万7千円▽保健センター(6月完成予定)=鉄筋コンクリート1階建て(同533・8平方㍍)、事業費2億3927万2千円。総事業費約22億5784万8千円。

先に完成した医療センター「あまぎユイの里医療センター」は、町指定管理者条例に基づき医療法人徳洲会と契約。元熊本赤十字病院小児外科部長で、昨年9月から徳之島徳洲会病院副院長を務め、開院に備えていた寺倉宏嗣医師(61)=熊本県出身=を初代院長に、看護師や薬剤師などスタッフ7人が担当する。

完成・開院式で大久幸助町長は、町内の3医療機関のうち2つが閉院した医療現状下での取り組みも説明。最大の課題となった医師の確保には、2000年から徳之島トライアスロン大会に出場を続け交流のあった寺倉医師との縁にふれ、「全職員が一体で取り組み、天城町の新時代だ。保健センターと連携した在宅医療にも期待している」。

寺倉院長はあいさつで「センターは住民の皆さんが主役。病を治すだけでなく、病をもった人を治すことが大事。保健センターと連携して在宅医療も進めたい。この島の人たちが安心して子ども産んで育て、安心して住み、安心して亡くなることができるようにしたい。スタッフ一同が思いやりと感謝、笑顔をもって進めたい」と決意を示した。

 療科は内科・外科・小児科・小児外科と幅広い。診療日・時間は月~金曜日午前9時~午後5時(受け付け午前8時半~同11時半)。休診日は土・日・祝日、年末年始。電話0997―85―3080。