新たに4人、海上安全指導員

海の安心安全を守るため、4人が新たに海上安全指導員の指定を受けた

奄美海保伝達 水上オートバイも活用

 第十管区海上保安本部長はこのほど、海上安全指導員として、奄美市笠利町から4人を指定。その指定証の伝達式が28日、同市名瀬の奄美海上保安部であった。自己所有の水上オートバイを安全パトロール艇としても活用し、安全航行の啓もうなどボランティアで海難防止活動に取り組む。新たに海上安全指導員となったメンバーは「悲惨な海難事故が起きないよう努めたい」と活動に意欲的だ。

 指定されたのは笠利町赤木名在住の有川貞好さん(58)、阿多昌司さん(60)、當英正さん(50)、井睦夫さん(49)の4人。奄美海保の佐藤至本部長から指定証等の伝達を受けた。

 海上安全指導委員制度は、安全なマリンレジャーを推進するため、安全航行に関する周知、啓もう活動を自主的に実施している人々をマリンレジャーのリーダーとして位置づけ、「海上安全指導員」に指定するもの。

 現在、全国で約1600人の海上安全指導員と約1100隻の安全パトロール艇が指定を受けている。奄美海上保安部管内はこれまで同市名瀬地区に4人の指導員がいたが、新メンバーが加わって計8人に倍増。奄美管内では初の水上オートバイの安全パトロール艇指定で、水深の浅い沿岸部など、水上オートバイの特性を生かした活動が期待されている。

 佐藤部長は「マリンレジャーを楽しむ観光客なども多い笠利、龍郷エリアを担う人たちが今回加わっていただき、大変心強くありがたい。真面目で安全海難防止活動に理解をいただいている方を選定し、お願いさせていただいた。我々海上保安官だけでは足りない部分をカバーしていただけると期待している」と述べた。

 今年3月に教職を退職したばかりの阿多さんは「以前は子どもたちと接していたこともあり、少しでも子どもたちを悲惨な事故から守れるよう役立てられたらいいなと考えている」。水上オートバイ歴38年の有川さんは「水上バイクの機動力を生かし、自分たち自身も(マリンレジャーを)楽しみながら、泳いでいる人たちの安全を確保したい。水上バイクの存在が海水浴を楽しむ人たちの安心感につながれば」と力強く語った。

 新メンバーは来月1日に初回の活動として、同海保と協力し、地元の子どもたちとともに海岸での安全講習など計画している。