奄美市で電気自動車納車式

事業採択を受けて日産自動車から奄美市に電気自動車が3年間、無償貸与された

保護パト、災害時に活用
日産、3年間無償貸与

奄美市はこのほど、日産自動車㈱が行う「電気自動車活用事例創発事業」に申し込みを行い、選考の結果、電気自動車の3年間の無償貸与が決定した。30日に市役所正面玄関前で出発式を開催。同市ではこの電気自動車を、野生生物の保護パトロールや、台風など自然災害時の緊急車両などとして有効活用していく。

日産は電気自動車のさらなる普及を目指し、静かさや給電機能を生かした各種作業車両としての活用。また災害時の蓄電池としての活用など、より良いまちづくりや行政課題解決の一助となる活用を考案した自治体に対し、電気自動車「e-NV200」を3年間、無償で貸し出す事業を展開。

奄美市は①山中における環境教育実施時の給電等②野生生物の保護パトロールと観察会・生息調査などへの活用による環境負荷の軽減③大型クルーズ客船入港時の歓送迎セレモニーなどでの給電と資材搬送④台風などの自然災害発生時の給電・蓄電や緊急車両として―など活用計画を提案し、採択された。

同日午後4時半から行われた納車式には、朝山毅市長らも出席。市長に目録が手渡されたほか、車のエンジンをかけて静穏性を確認したり、デモンストレーションとして車の電気を使って外部接続の扇風機を動かすなど、その機能を確認した。

朝山市長は「自然遺産登録に向けて、自然と共生するまちづくり、環境にやさしいまちづくりを進めているところであり、非常に時機を得た日産自動車の事業に対し、心から感謝したい。奄美の自然環境を守る上でも大変有効な交通手段。無事故・無違反等に留意しながら有効に活用させていただきたい」と話した。

同市環境対策課によると、奄美市では公用車の電気自動車導入は2台目。貸与された車両は5人乗りで、新車で購入した場合、約400万円相当という。