猛暑商戦で個人消費後押し

各店で売り場の目立つ場所に特設コーナーを設置。消費者の目を引く商戦を展開している

奄美地方連日30度超 快適グッズで暑さ対策
量販店やドラッグストア

 梅雨明けして約1カ月が経過した奄美地方。この間、晴れが続いた影響もあり、最高気温は連日30度以上を記録している。奄美市名瀬では今月8日以降、最低気温が25度以上となる「熱帯夜」が続くなど、快適に過ごすためには暑さ対策が課題となっている。島内の量販店やドラッグストアなどでは、店内の目立つ場所に暑さを和らげる快適グッズなどを陳列。各店が猛暑商戦を展開し、個人消費を後押ししている。

 気象庁によると25日現在、奄美地方の観測8地点で35度以上の猛暑日は観測されていないが、伊仙町では21日に最高気温34・8度、奄美市名瀬では17日に同34・6度を観測。名瀬では11~18日にかけて、1日間の平均気温が30度以上となるなど、厳しい暑さが続いている。

 同市内の家電量販店では、売り場の入り口近くにエアコンや扇風機、空気清浄器などの家電コーナーを設置している。売り場担当者によると、高額商品のエアコンより、扇風機や空気清浄器の売れ行きが好調で、「購入者は高齢者が多い」という。

 ドラッグストアも同様に、入り口周辺に瞬間冷却スプレーや制汗剤などを並べ、消費者の目を引いている。ある店舗の担当者は、「冷却スプレーなど快適グッズを紹介するテレビ番組の放送後、グッズの売り上げが約1・5倍になった。主に外で仕事をする人が商品を買い求めているようだ」と説明した。

 またドラッグストアやコンビニ、スーパーなどでは、清涼飲料水の売れ行きが堅調に推移。スーパーでは冷やし麺の売り上げも前年を上回っているという。売り場担当者は「在庫数、売り場での陳列数には常に気を配っている」と述べた。

 この暑さでにぎわいをみせているのがビアガーデンだ。天気にも恵まれた影響もあり、同市内の各ビアガーデンでは、ほとんどで前年よりも売り上げが伸び、特にビールの消費量が増えているという。

 同市内のドラッグストアに訪れた前田彩夏さん(34)は、「夏は冷たいものを取り過ぎて、体調を崩してしまいがち。適度な温度に室温を保ち、のどの渇きを感じる前に水分補給をするなどして、夏を乗り切りたい」と話した。

 鹿児島地方気象台によると、27日の奄美地方の天気は晴れ時々曇り。最高気温33度、最低気温26度の予想。今後1週間も晴れや曇りの天候で、最高気温は32~33度の予報となっており、引き続き暑さ対策が求められる。