特別支援教育

特別支援教育

萩之内さん(写真右側)の講演を聴く研修会参加者

「多様な子たちに多様な学びを」
研修や講演で資質向上

 2016年度大島地区特別支援教育合同研修会が28日、龍郷町の大島養護学校(中村周一郎校長)であった。同校の職員や大島地区内の保育所や小・中・高校の職員など約150人が参加。研修や講演などを通して特別支援教育についての理解を深め、資質向上に努めた。

 午前の部は県教育庁義務教育課の萩之内靖指導主事が「奄美の特別支援教育推進のために~結いの心で紡ぐ、シマの教育資源活用~」と題して講演。15年ほど前に奄美市内の学校へ赴任し、5年間、教べんをとった経験談も交えつつ、地域に根付く相互扶助の精神(結い)や、亜熱帯の自然、島唄など文化、復帰運動などの独自の歴史を挙げ、教育環境の場としての奄美の魅力を語った。

 萩之内さんは特別支援教育で求められるものとして①個人の多様性②想像力(思いやりを育む)③協働性―の三つを提示。「『多様な子どもたちに多様な学びを与える』ということが特別支援教育の理念。目標は同じでも過程はそれぞれ。子どもたち一人ひとりが自分なりに精いっぱい生きていくための過程は必ずしも小、中、高、大学に行けば良いというわけではなく、様々な学びの中で様々な力をつけていくことが大事ではないか」と話した。

 他にも▽子どもが落ち着いて過ごせる▽間違うことや分からないことを否定的に見ない▽学び方の違いを認め合える―ようにするなど学級づくりなどのポイントも伝えた。

 午後からは五つのテーマに分かれた分科会もあった。