亀津中が全国初優勝

団体戦で全国の頂点に立った亀津中(左から行、新田、豊田)=提供写真=

全国中学相撲選手権
鹿県代表は17年ぶり
豊田は個人16強幼なじみ3人力合わせ

 第46回全国中学校相撲選手権大会(2016年度全国中学校体育大会相撲競技、開催地・石川県)の最終日は21日、団体戦の予選3試合目以降などが行われ、団体戦で鹿児島県代表の亀津中(徳之島町)が初優勝を飾った。鹿児島県代表の優勝は、1999年の赤木名中(奄美市笠利町)以来、17年ぶり。また亀津中の豊田倫太朗(3年)が個人戦でベスト16に入った。

 亀津中は豊田のほか、行大成、新田竜将(ともに3年)が大会に出場。団体戦で、行が先鋒、新田が中堅、豊田が大将を務めた。

 予選3試合を全勝し予選1位で決勝トーナメントに進出した亀津は、決勝トーナメント2回戦まで一つも星を落とさなかった。準々決勝と準決勝は2対1で勝利。決勝は行がすくい投げで敗れたが、新田が突き落としで勝利し大将戦に望みを託すと、豊田がすくい投げで大一番を制し、見事全国の頂点に立った。

 亀津の3人は、小学1年の頃に地元のスポーツ少年団「徳之島相撲クラブ」で一緒に本格的に相撲を始めた幼なじみで、当時から今もクラブの吉健俉監督(63)から指導を受けているという。

 この日は個人戦の決勝トーナメント(出場69選手)もあり、行は初戦で敗れたものの、豊田は32選手で争うトーナメントの2回戦まで進出した。

 行大成の話「先鋒として流れをつくろうと頑張った。優勝してうれしいが決勝で自分が負けたのは悔しい。2人にはありがとうと言いたい。決勝で勝てたのは2人のおかげ。吉監督には幼稚園の頃から教わってきたのでありがとうと言いたい。3人で優勝できてうれしい」

 新田竜将の話「準々決勝、準決勝と自分は負けたが、決勝で自分の相撲が取れて勝てたのでよかった。中堅として、先鋒戦で勝った流れをつなごうと頑張った。中学最後の大会で(全国の)チャンピオンになれて最高の思い出ができた。今まで支えてくれた、いろいろな方に最後に恩返しをしようと頑張った。とてもうれしい」

 豊田倫太朗の話「小さい頃から切磋琢磨してきた3人で結果を出すことができてうれしい。自分たちより大きい選手がたくさんいたが負ける気はしなかった。決勝は1対1で出番がきてプレッシャーもあったが、楽しくて、気持ちだけは負けないように臨んだ。小さい頃から教わってきた吉監督に感謝したい。地元の周りの人たちの支えも力になった」

 吉健俉監督の話「3人で最後の思い出づくりとして頑張るという話を聞いていて、その結果優勝してくれた。彼らも成長してくれた。素直な子どもたち。よそのチームは強い子どもたちの集まりだったりするが、徳之島から3人で全国に行って頑張ってきてすごいと思う。奄美のほかの選手や県の選手が誇れることをしてくれた。これからも努力すれば夢が叶うことを学んでいってくれたら」

 結果は次の通り。
 【団体】▽予選3回戦 亀津中3―0阿南一中(徳島)
 ▽先鋒 行大成=寄り切り=田邊圭吾▽中堅 新田竜将=上手投げ=柳本晃志▽大将 豊田倫太朗=押し出し=久積陽斗
 ▽決勝トーナメント1回戦 亀津中3―0中津緑中(大分)
 ▽先鋒 行=突き落とし=矢田翔大▽中堅 新田=吊り出し=新川大楽▽大将 豊田=押し出し=山田航生
 ▽同2回戦 亀津中3―0鳴和中(石川)
 ▽先鋒 行=寄り切り=落合優大▽中堅 新田=突き倒し=湯上佳和▽大将 豊田=送り投げ=奥田琢朗
 ▽同準々決勝 亀津中2―1大宮西中(埼玉)
 ▽先鋒 行=寄り切り=納谷幸成▽中堅 影山由伸=寄り切り=新田▽大将 豊田=押し出し=手計太希
 ▽同準決勝 亀津中2―1宇土鶴城中(熊本)
 ▽先鋒 行=押し倒し=北野泰聖▽中堅 草野直哉=上手投げ=新田▽大将 豊田=寄り倒し=花岡真生
 ▽同決勝 亀津中2―1津幡南中(石川)
 ▽先鋒 深沢成矢=すくい投げ=行▽中堅 新田=突き落とし=越村慎悠▽大将 豊田=すくい投げ=堺井勇希
 ※順位 ①亀津中②津幡南中③宇土鶴城中、犀生中(石川)
 【個人】▽32選手決勝トーナメント1回戦 豊田=寄り倒し=八木裕真(磐田城山中、静岡)▽同2回戦 花田秀虎(西和中、和歌山)=寄り切り=豊田