海面状況などFBで発信

海面状況などFBで発信

海の状況を撮影し、情報発信に努める奄美ライフセービングクラブのメンバーら

行楽期の海難事故防止へ
奄美ライフセービングクラブ

 奄美市笠利町の土盛海岸、用安海岸に監視員を配置し、奄美大島の海の安全を守っている奄美ライフセービングクラブ(佐野常男代表)は7月から、両海岸の状況や遊泳制限情報などをインターネット上で配信している。観光客のほか、地元住民も情報を把握しやすくなり、両海岸における海難事故は減少している。同クラブでは来月下旬まで取り組みを続け、夏の海水浴シーズンの事故防止に努める方針だ。

 同クラブは2011年5月に創設され、現在20~30人で活動。海水浴シーズンに入り、土盛海岸に2人、用安海岸に3人を常時配置し、海の安全を守っている。この活動の一環として7月18日から、海の状況を撮影した動画や遊泳制限情報を「海辺のヒーロー!奄美ライフセービングクラブ&奄美ウォーターパトロールzero」のフェイスブック(FB)上に掲載している。

 約10秒間の動画では、映像から波の高さや風の強さなどが確認でき、安易に海に近づかないよう啓発している。時間の経過とともに状況も変化することから、一日に複数回情報を更新して適切利用を呼びかけている。

 奄美大島観光物産協会では、この動きと連携。同協会の宿泊専門委員会に所属する宿泊施設で海の情報を把握し、宿泊者に対して情報を提供する取り組みを行っている。

 観光客に人気が高い笠利町周辺の海岸だが、2014年には海難死亡事故が相次いで発生するなど、事故が発生するリスクと隣合わせでもある。同クラブによると、先月の活動開始から今月24日まで、両海岸における海難は発生していないという。

 同クラブの西健吾リーダー(21)は、「両海岸を訪れる人には声をかけることができるが、自分たちだけでは限界がある。フェイスブックによる情報発信することで、宿泊施設の人と連携も可能になる」と強調。佐野代表は「遊泳できるビーチを選ぶ参考にしていただきたい」と話した。

 同協会の担当者も、「予算の問題もあるが、協会のホームページでも情報を掲載して、誰でも情報を入手できるようにすることで、事故の防止につなげていければ」としている。

 同FBでは両海岸のほか、奄美市名瀬の大浜海浜公園の状況に関する情報も提供している。