クロウサギキャンペーン

奄美市住用町の住用公民館で開かれたアマミノクロウサギ交通事故問題に関する講演会

分布拡がり事故発生へ
「夜の運転十分注意して」 住用公民館で特別イベント

環境省奄美野生生物保護センターは9日夜、奄美市住用町の住用公民館で「アマミノクロウサギ交通事故防止キャンペーン」(9月1日~10月31日)に合わせた特別イベントを開催した。奄美大島の自然環境や抱える問題、アマミノクロウサギの交通事故発生状況などを紹介。繁殖期になり、活動が活発になるシーズンを迎えるに当たり、「夜の運転には十分注意してほしい」と呼びかけた。

同キャンペーンはアマミノクロウサギの活動が活発になり、交通事故の発生がより多い秋期に合わせて、地域住民や観光客などへ安全運転を呼びかけ、アマミノクロウサギをはじめとする野生生物の保護に関する普及・啓発が目的。毎年、アマミノクロウサギが生息する奄美大島と徳之島の2島で実施している。今回はアクティブ・レンジャーの木元侑菜さんが講師を務め、アマミノクロウサギの生態や交通事故発生状況などについて紹介した。

木元さんは最初に「奄美は生物多様性が豊かな島」とし、奄美に棲む野生動物を紹介。アマミノクロウサギの交通事故が多発する地点や、分布が広がったことでこれまで姿を見ることがなかった場所でも事故が発生していることなどを説明。各市町村などが取り組む看板や減速帯の設置による効果も示しながら、「クロウサギが茂みから突然飛び出してくることもある。注意し、ゆっくり運転してもらえたら。しかし、最近では国道などでも交通事故が発生している。スピードを落とせない道路では、もしも轢いてしまった場合や、目撃した場合はすぐにセンターに連絡してほしい。早めに治療ができたり、今後の研究に役立つことがあるはず。今回出席出来なかった人にもぜひ伝えてほしい」と呼びかけた。

同講演会は今後、10月1日には龍郷町役場、13日には宇検村、21日には徳之島町の3カ所で実施予定。また、10日夜には事故の多い奄美市住用町三太郎峠線で野生動物の交通事故防止を呼び掛けるチラシ配りも行われた。