地元作家の著書紹介

県立奄美図書館に開設されている鳥飼否宇さんのコーナー

奄美図書館に 鳥飼否宇さんコーナー

『死と砂時計』で第16回本格ミステリ大賞(小説部門)を受賞した奄美市名瀬在住の鳥飼否宇さん=本名・鳥飼久裕=の著書を紹介するコーナーが、県立奄美図書館(石塚一哉館長)に開設されている。受賞作を始め貸し出しは順調で、地元在住の作家への関心が広がっている。
開設されているのは同図書館1階の入り口。本格ミステリ大賞受賞を祝福する形で、受賞を伝える新聞報道がきっかけとなり5月20日前後に設けられた。

書籍のみの10冊余り。郷土コーナーに並べていた著書もまとめたという。同図書館の瀬戸山正信館長補佐は「図書館は同じ本なら一冊しか購入できないため、受賞作はなかなかコーナーに並べることができないほど多くの人が借りており、予約も受け付けている。これを機会に奄美在住の作家の著書に親しんでほしい」と話す。

鳥飼さんは福岡県出身。九州大学理学部生物学科卒、出版社での編集者を経て2000年から奄美大島在住。日本推理作家協会会員。奄美を拠点にして創作活動に取り組んでいるが、これまでの著作(鳥飼否宇名義)は24冊を数える。デビュー作『中空』(01年5月)で、横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞。観察者シリーズのネイチャーミステリーを書き継いでいるが、最新作は『ブッポウソウは忘れない』(16年7月、ポプラ社)。大学の鳥の研究室を舞台にしたミステリーとなっている。