アドバイザー研修で認知症学ぶ

参加者が意見を述べた研修会でのグループ討論

「否定せず 笑顔で」
瀬戸内町・住民約50人修了

瀬戸内町地域包括支援センターはこのほど、同町古仁屋のせとうち物産館で2016年度「在宅福祉アドバイザー研修会」を開き、認知症に関する講義や参加者によるグループ討論などを行った。町内の民生委やサロン活動を行っている住民約50人が参加して、病気への理解を深めた。

研修会は、支援の必要な高齢者を地域で支えるまちづくりの一環。介護保険制度の仕組み、高齢者の身体機能などについて学ぼうと計3回開催された。

この日は、同センター職員の社会福祉士・津留美智子さんが「認知症の理解」を講義。老化によるもの忘れと違い、▽もの忘れの自覚がない▽時間や場所が認識できない▽判断力低下―の予兆(サイン)を挙げ、その上で患者の気持ちに寄り添いながら、自尊心を傷つけない配慮を訴え。

津留さんは「患者の発言を否定せず、笑顔で接すること。『認知症』は誰でも起こり得る病気と理解してほしい」と話したほか、介護する側が負担にならない心構えも呼びかけた。

「認知症になったら、地域からどう支えてもらいたいか」をテーマにしたグループワークでは、7~10人に分かれ各自討論。「周りが声をかけ、見守りしてほしい」との意見が最も多く、「自宅で過ごしたい」「さびしいのはイヤ」―など、病気になっても地域とのつながりを求める声もあった。

研修終了後、修了式があり、同町の茂岡憲保健福祉課長から参加者に修了証が手渡された。西古見集落の茂節子さん(71)は「地域の高齢化に向け、学んだことを今後に生かしたい」と話した。