在宅医療・介護連携へ講演・シンポ

関係者約200人が参加した在宅医療・介護連携講演とシンポジウム(円内は田畑氏)=27日、天城町

住み慣れた家で自分らしく
チームケア重要再認識
徳之島3町

【徳之島】徳之島地区の在宅医療・介護連携推進事業講演会とシンポジウム(同3町地域包括支援センター主催)が27日、「住み慣れた家で自分らしく過ごし続けること。その生活を支える専門職からの報告~わきゃや(我が家)が一番!~」をテーマに天城町役場であった。医療・介護現場からの報告や県看護協会の田畑千穂子会長の講演を交え、自宅で最期まで過ごさせる選択肢を支えるチームケアの重要性を再認識した。

高齢者や障がい者など必要とする全ての人が在宅で医療ケアを受け、本人や家族の選択のもと、住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けさせるのが目的。徳之島3町が2014年度から手を挙げて取り組んできた県事業「地域における訪問看護職等人材育成支援事業」の一環。3町の医療・福祉関係者や住民など約200人が参加した。

現場からの報告(発表)には3人が登壇した。徳洲会介護センター管理者の富山百繕さん(介護支援専門員)は、住み慣れた我が家で過ごさせるには「本人の力+家族の力+地域の力+医療の力+介護の力+行政+その人の周りなど、連携・共有が必要。(本人は)どう暮らしたいか、家族や周囲に日ごろから伝えて置くことも必要。1人で悩まず相談を」。

介護老人保健施設愛心園の訪問ヘルパー井上末子さんは、全盲やリウマチと闘いながらも「自分らしく」過ごしている3人のケースも紹介。徳之島徳洲会病院・訪問看護師の木原寿美子さんは〝終末期〟対応で「治療は本当に家でいいのか悩みも。選択は医師1人だけでは無理と思う。(本人や家族の)意思を届ける役割を果すのも訪問看護の役割。地域の皆さんの声を病院へ」。患者を癒すための三味線への挑戦などけなげな姿勢も共感を集めた。

田畑会長は、感想や講演で「3町は非常にチームワーク、連携が取れて優れている」と評価。そして「周りがサポートさえすれば人工呼吸器をつけた人でも自宅で過ごせる」。自宅で父を看取った自らの体験も交え「(最期の過ごし方などを)伝えてもらうためにも誕生会などイベントは大事。(余命が)たった1週間でも、やりたいことをさせてあげることが大事」とも強調した。