群島漁業振興大会

水産業の振興発展に向けた、第25回奄美群島漁業振興大会が奄美市内で開かれた

水産業振興へ情報共有
ブルー・ツーリズム活動報告も

 第25回奄美群島漁業振興大会(奄美群島水産振興協議会主催)が31日、奄美市名瀬の奄美観光ホテルであった。与論町での漁業者によるブルー・ツーリズム推進に向けた活動の事例発表のほか、研修では鮮度保持、高級魚の資源管理等に関する講演・報告があり、奄美の水産業の振興発展に向けて、参加者の意識・情報の共有を図った。

 群島内の漁業関係者ら約100人が参加。奥田忠廣会長のあいさつの後、永年勤続役職員4人に対する表彰が行われた。

 来賓祝辞に続いて与論町漁協青年部の阿野忠義さんが「与論の魅力を生かした水産業の取り組み」と題し、与論でのブルー・ツーリズムの活動について事例発表。阿野さんは1985年からこれまでの約30年間に与論島では観光客が約5万人、人口が約2千人減少しており、これが魚の島内単価の低下にも影響していると分析。

 現況の打開策として、ブルー・ツーリズムの推進をあげ、「与論島の魅力である『きれいな海』を活用した体験型商品を提供・PRすることで観光客を呼び込み、島内人口を増加させ、水産物の需要の向上と消費の拡大につなげたい」と目的を語った。

 実際の取り組みとしては「与論だからこそできる」をコンセプトに、女性や小さな子どもでも楽しめる体験として、リーフ内の小魚を釣る「くさび(ベラ)釣り体験」や、与論島発祥の伝統漁業でもある「トビウオロープ曳=ひ=き体験」を商品化。モニターツアーで得られた成果や課題を示すとともに、今後の活動に対する意欲も語った。

 その後の研修では「ウルトラファインバブルについて」「スジアラやマチ類の資源管理について」をテーマとした講演や、笠利地区漁業集落による「高窒素UFB処理による鮮度保持実証実験結果について」の報告があり、水産業振興に向けた情報の共有に努めた。

 大会での被表彰者は次の通り。(敬称略)
 ▽永年勤続役職員20年=高野壽師(与論町漁協)▽同10年=中田和則(宇検村漁協)、中田信幸(同)、米田みき(瀬戸内漁協)