屋仁小のウミガメ保護活動が環境大臣賞

第51回「全国野生生物保護実績発表大会」に参加した児童ら

5年間実績や奄美の自然発表

第51回「全国野生生物保護実績発表大会」(環境省、公益財団法人日本鳥類保護連盟主催)が21日、東京霞ヶ関の中央合同庁舎で行われ、奄美市笠利町の屋仁小学校(新原浩校長、児童16人)が環境大臣賞を受賞した。今年は各都道府県知事から推薦のあった学校などの中から小中高校の10校が参加。同校がウミガメ保護活動を始めてから5年間の実績や、奄美の自然について同校の児童らが発表した。

同大会は全国の学校や団体が、野鳥をはじめとする野生生物の調査や保護のための活動を通して得た経験や活動を発表し、子どもたちの野生生物保護への関心と理解を深める機会とすることを目的に開催。屋仁小からは、6年生の朝岡美月紀さん、諏訪安莉さん、原田真朱さんの3人が児童を代表して参加した。

同校の「ウミガメの保護を核とした総合的自然保護プロジェクト」は、全校児童で取り組んでおり、主な活動はウミガメについての学習や、産卵地である海岸の清掃、卵の保護・ふ化、放流など。世界自然遺産登録に向けて取り組む奄美の自然保護を広げる活動なども行っている。

毎年ウミガメの産卵があった屋仁集落の海岸だが、今年は産卵がなかったため、発表を聞いた人からは「なぜウミガメが来なくなったのか」という質問もあったという。朝岡さん、諏訪さん、原田さんは「砂が減って海岸が狭くなっていること、漂着ゴミが多いことが原因だと思った。発表を通して、海にゴミを捨てたらいけないこと、ゴミを減らす工夫をしてほしいことを伝えたかった」などと話した。

同校の吉永秀和教頭は「ウミガメ保護は地域の人も一緒になって清掃作業に参加してくれたり、ふ化などを見守ってくれたからできたことなので、屋仁の校区みんなでもらった賞。発表当日は屋仁の郷友会のみなさんも集まり応援してくれたのでありがたかった」と語った。