江戸時代の染色再現

ハゼの木から抽出した染料に衣服を浸し、江戸時代の染色を再現体験する参加者

ハゼの木使用で 世界に一つの染め楽しむ
旧節子小中学校

奄美の江戸時代の織物に使われた染色体験イベントが26日、瀬戸内町の旧節子小中学校であった。参加者は奄美に自生する植物から抽出した染料で、世界に一つだけの染物づくりを楽しんだ。

染色体験は、江戸時代末期に奄美に居住していた薩摩藩士の名越佐源太が、薩摩に帰還するまでの5年間に奄美の生活や文化などを記した『南島雑話』を基に再現。今回はハゼの木の中心部分を煮出した黄色の染料を使って体験した。

講師は奄美の自生植物や貝などを使って染物などを行う、工房「しまむすび」の植田正輝さん(65)が担当した。参加者はロウを塗って柄をつくる「ろうけつ染め」や「絞り染め」など、思い思いの作業スタイルで染色を体験。染料に浸す時間の差で、色の変化なども楽しんだ。

参加者からは「ハゼから黄色の染料が取れると知らなかった」、「自然の植物を材料にしているので安全。染め方によって、色に違いが出るのが不思議」などと感想を述べた。

『南島雑話』にはハゼのほか、ガキナやヒロキなど様々な染料を用いた染色方法が記されている。植田さんは「今後も染色体験を開催して、別の染色方法も検証再現していきたい」と話した。

染色体験はきょう27日も同所で開かれる。