16年度県芸術文化奨励賞

音楽部門受賞の川畑さん

美術部門受賞の吉村さん

川畑さん(喜界町)音楽部門受賞 美術部門、吉村さん(小宿中教諭)

三反園訓知事は28日、2016年度県芸術文化奨励賞の受賞者を発表した。個人の部音楽部門で喜界町の川畑さおりさん(33)、同じく個人の部美術部門で、奄美市の小宿中学校美術教諭の吉村英彦さん(51)が選ばれた。川畑さんは「県を代表する賞をいただき幸せいっぱい。神様からのプレゼント」、吉村さんは「コンクールへの出展を評価していただきうれしい」と喜びを表した。

同賞は芸術文化の各分野において優れた業績を上げ、その向上発展に貢献し、今後一層の発展が望まれる個人、団体に贈るもの。1977年度から授与しており、今年度を含めこれまで個人111人、66団体が受賞している。

川畑さんは島唄の唄者として各種大会で受賞。同町に在住しながら、国内外でのイベントやメディアに多数出演し、島唄や奄美の魅力を発信している。また児童生徒への指導をはじめ地域住民を対象に講師を担当するなど、島唄の後継者育成や保存継承活動に精力的に取り組んでいる。

小学校3年生から島唄、三味線を習い始め、20数年間唄い続いている川畑さん。奄美島唄界の受賞は87年の築地俊造さん、88年の坪山豊さんに続き3人目となる。「これまで応援してくれた島の人や本土の人に感謝したい。受賞の恩返しとして国内外で唄い、奄美の島唄を発信していけるよう頑張って生きたい」と述べた。

吉村さんは高校時代から本格的に出展をはじめ、洋画家として数多くの賞を受賞。現在県下中学校で美術教諭として教べんを執るほか、人体とピアノをモチーフとした半袖象画家として意欲的な制作活動を行っている。また、県内の美術関係の講習会で講師を務めるなど、美術教育の活性化に寄与している。

昨年、初めて奄美に赴任。教職員のかたわら制作にも励む。吉村さんは「出展を継続することでこのような賞につながると、絵を描く人たちの励みになれば」とした上で、「コンクールへの出展は、出展者同士の交流はもちろん、刺激を得たり自身の研さんにもなる。今後も作品制作に取り組みたい」と話した。

授賞式は11月14日、鹿児島市内のホテルで行われる。