3年ぶりに再開へ

17年度に再開が見込まれる、休校中の池地小中学校(写真は2014年3月撮影)

休校中の池地小学校
瀬戸内町請島 新学期に児童2人予定

 2014(平成26)年4月から休校中となっている瀬戸内町請島の池地小学校で、17年度入学児童が見込まれることから、現在受け入れのための整備が進められている。3年ぶりの学校再開に池地集落(27世帯37人)の勝哲弘区長(74)は「子どもの声が再び地域に聞こえるようになることを待ちわびている」と喜ぶ。同町教委によると休校から再開した事例は町内初。奄美群島の自治体でも再開例はないとして、注目を集めている。

 1897年に開校した同校は、休校まで116年の歴史を持つ。総卒業生数は児童787人、生徒678人。最盛期の1951(昭和26)年は全校児童生徒270人だったが過疎化に伴い、子どもの数が減少。2013年度在籍していた4人の卒業と転出によって、14年度から休校措置が取られていた。

 同町の学校数は小学校15校(うち休校4)、中学校12校(同4)。休校時、請島唯一の学校だった池地小中学校は「小学校」として再開する見通し。

 同町教委総務課によると、仕事や民宿業務で2世帯が同島内の移住を希望。昨夏頃移住者側から児童の入学意向を受けたことから、町当局は昨年9月議会で施設補修や教員住宅の修繕、備品購入など整備費1120万円を補正予算で計上し、準備を進めてきた。

 新年度は1・3学年児童が1人ずつ、計2人が入学する予定。同町教委の2月定例会で正式に再開が決まる。

 同課は「関係機関と連携して、新年度の受け入れ体勢を整えたい」とした上で、運営継続が今後の課題と位置づけ。引き続き、山村留学の推進などで学校維持に努める考え。

 今回の朗報に勝区長は「学校があるとないでは集落の雰囲気が違う。地域も受け入れる準備を進めている」と話した。