「島っ子ガイド」ら〝集落の宝〟紹介

自分たちで調べた「集落の自慢・宝」を案内する阿権小児童ら「島っ子ガイド」=2日、伊仙町

総合学習で35時間充てる
阿権小児童、成果発表

 【徳之島】伊仙町立阿権小学校(本山桂三校長、全校児童15人)の3―6年生8人が、総合的な学習の時間で取り組んだ「島っ子ガイド学習」の成果発表が2日、一般を対象にあった。国立公園指定や世界自然遺産登録を前に、エコツアーなどの観光素材・地域の宝を子ども目線で調べたことを楽しくガイドし、大人たちの称賛を浴びるなど好評だった。

 児童たちは、世界自然遺産登録などに向けて「自分たちが地域のためにできること」を話し合った。学校側は、同ガイド学習を総合的な学習の時間に位置づけて1学期から着手。奄美群島エコツアーガイド育成講師などにも協力した長崎県立大学の西村千尋教授らも〝ふるさと先生〟に招いた。

 阿権の好きなところ、自慢したいところ、気になるところを出し合い、児童それぞれが2、3か所ずつを担当。住民への聞き取りやアンケート調査などをこなした。年間70時間の総合学習の時間の35時間を充てた。

 コースは、学校を発着点に徒歩約60分コース。町内外から約20人が参加した。児童たちは手作りした「われんきゃ阿権マップ」を基に、〝地域の公園〟と自賛する学校の伝統、名物のヒカンザクラの老木などをまず紹介。デイゴの老樹など「パワースポット」の神社や、江戸時代からのたたずまいを残す小道、荘厳な石垣や「300年ガジュマル」、伝説の妖怪「けんむん」の目撃談、クイズなども交え楽しませた。

 児童の中=あたり=至道君(4年)は「地域の分からなかったことも知ることができた。これからはガジュマルの一生も調べてみたい」。三宅芽紅さん(6年)は「調べることは大変だったが、楽しかった。地域の人たちとのコミュニケーションもしっかりと取れた。もっと地域のことを学んで盛り上げたい」と目を輝かせた。

 徳之島町手々から参加していたエコツアーガイドの政武文さん(64)は「子どもたちの生き生きとした表情が印象的。学ぶことで自分たちの島に誇りを持ち、集落の宝にも気づくと思う。島をますます好きになって将来、島の観光大使にもなってくれるのでは」と笑顔で話した。

 学校側は、時間的な都合がつけば「島っ子ガイド」の要請に応える方針という。