大和村国直フォーラム

各地で地域づくりに関わる活動をしている人らを迎えたフォーラムがあり、意見交換を行った

地域づくりで意見交換
「本質的価値の活用を」

フォーラム「居心地のいい地域のつくり方in国直」(NPO法人TAMASU・南薩観光㈱主催)が23日、大和村の国直公民館であった。行政関係者など約40人が参加。NPO法人や民間企業などで活動する代表者3人による事例発表のほか、質疑応答なども通して意見交換しながら、地域づくりについて考えた。

三者がそれぞれ活動事例を発表。中村氏はNPO法人TAMASUを設立し、海や山など国直集落の自然や、地域に伝わる文化などを活用した体験型観光サービスを提供。アンケートを実施するなど地元住民の目線も参考にしながら活動を行っている。中村氏は「観光振興だけの地域づくりでなく、守るべきものをみんなで共有しながら、地域の人たちが住み続けたいと思える場所にしていきたい」と目指す姿を語った。

NPO法人頴娃おこそ会の加藤潤氏は頴娃町にIターンして、観光まちおこし活動に関わってきた。若手お茶農家らと連携し、関連するイベントやツアーなど実施。また、商店街の経営者らとの古民家再生や散策マップの作成など地区再興に向けたプロジェクトなども展開している。加藤氏は「まちづくり活動とは期待感づくり、人づくり。よそからの人材の力も必要で、来てくれた人をどう受け止めるかが重要。地域おこし協力隊を上手く迎えられた地域はこれから伸びてくるだろう」などと外部者との連携を地域振興の鍵に挙げた。

山下賢太氏は、地元の薩摩川内市・甑島で、農産物の生産・販売からスタートし、その後会社を設立。自社で生産する豆腐やお米、キビナゴの加工品などの販売展開のほか、宿泊施設を運営。盛んな漁業に焦点を充て、漁師が主役となったフェスを企画主催した。地元民を活用した集落散策などの着地型観光も展開。山下氏は「若者、よそ者はいつまでもいるわけでなく、選ばれる島にならないといけない。地域づくりは付加価値と言われるが、ここ奄美には本質的な価値がたくさん眠っている。その価値をもう1度考えて組み立てて、地域づくりにつなげてほしい」と呼びかけた。

地域づくりに関する意見で、アドバイザーを務めた西山佳孝氏(㈱タウンキッチン)は「日々何ができるのか。きょうの1㍉の方向性を変えることで3年、5年、10年後たどり着いている先は違ってくる。先を見据えてきょうからその1㍉を変えてほしい」。フォーラムテーマ(居心地のいい地域)も絡め、東川隆太郎氏(NPO法人まちづくり地域フォーラム・かごしま探検の会)は「地域ごとに事情(規模、人、地域の歴史文化など)は様々。地域内にも、外へもバランスの良い発信が望ましい。いろいろな人と適材適所で関わっていくことが、地域づくりの中では大事」などと助言した。