テラスみらいフォーラムinおきのえらぶ島

持続可能な観光についてパネルディスカッション=知名町=

持続可能な観光に向け
有識者や観光従事者らがパネルディスカッション

【沖永良部】テラスみらいフォーラムinおきのえらぶ島(おきのえらぶ島観光協会主催)がこのほど、知名町あしびの郷・ちなであった。有識者や観光従事者らが参加してパネルディスカッションを行い、持続可能な観光産業の実現について考えた。

フォーラムは、島内全体の観光マネジメントを一本化する「おきのえらぶ島観光DMO化事業」の一環。

最初に、同協会事務局の古村英次郎氏が「私たちの子や孫が島を愛してくれることが観光の第一歩。そのために外からお金を稼げる仕組み『持続可能な観光』を作りたい」と述べ、将来に向けた長期振興計画「Island Plus 沖永良部島計画~100年先のミライにむけて~」を提案。基本方針として▽Pure(島のものにこだわる)▽Lifestyle(島の暮らしにこだわる)▽Spirits(島の精神にこだわる)―の3点を掲げた。

パネルディスカッションには、(株)アンカーリンクジャパン代表取締役の中村圭一郎氏、(株)美ら地球代表取締役の山田拓氏、(株)南都執行役員の高橋巧氏、文教大学国際学部教授の海津ゆりえ氏ら7人が参加した。

まず、同町田皆で古民家宿を経営する大當健一郎さんと沖永良部島ケイビングガイド連盟の新納佳恵さんが、観光業に従事するようになった経緯や島での生活を発表した。新納さんは「ケイビング事業が始まって5年になる。1年目は100人もいなかったが、徐々に伸びて今年は1千人を超えるかもしれない」。大當さんは「観光で生活をしている人はわずか。本気で観光をやっていく人が必要」と述べた。

これからの観光について海津氏は「現在は人とのつながりを渇望している時代。観光資源は身近な大人と話している中から見つかる」と話した。高橋氏は「沖永良部や沖縄のように人とのつながりがある状態で経済が発展すれば、世界のトップランナーになれる」と期待を込めた。

会場に訪れた高校生からは「観光客を何度も呼び込むための工夫はあるのか」「他の地域にはアクティビティ以外にどのような観光メニューがあるのか」などの質問が出た。