龍郷町給食センターが農政局長賞

龍郷町立学校給食センターが九州農政局長賞を受賞した(写真左から2番目が坂元栄養教諭)

地産地消給食等メニューコン
アラセツに合わせて伝統食

龍郷町立学校給食センター(大江行男所長)がこのほど、2016年度「地産地消給食等メニューコンテスト」(農水省主催)の学校給食部門で九州農政局長賞を受賞。その表彰式が2日、同町役場であった。旧暦のアラセツに合わせた、伝統食を生かした地産地消メニューが評価を得た。

コンテストは食育や地産地消の推進など目的に毎年開かれているもの。

同町給食センターが応募したメニューの名称は「アラセツに伝統食品を味わう」。同町秋名地区では旧暦8月、初丙の日のアラセツ行事が行われ、その日は新米で作った「ミキ」「赤飯(カシキ)」を神前に供える。

こうした奄美の伝統食を給食で伝えていく目的で、アラセツの前日に古代赤飯、牛乳、豚骨と野菜の煮物、ごまあえ、ミキを献立として加えた。野菜等は町内の生産者から直接購入したものを活用した。同給食センターでは町内の小学7校、中学3校に対し1日約660食を提供している。

農水省九州農政局地域食品課の林稔久課長らが同日、同町を訪問し、碇山和宏教育長に表彰状を手渡した。林課長は「給食というツールを活用して伝統の食・行事を伝えていく、つなげていく取り組みが評価されたことと思う」。

同給食センターの坂元生代栄養教諭は「(奄美は)長寿の島と言われているが、早世の人も多くそれにより平均寿命が短くなっている。伝統食(を食べる機会)がなくなっていることも一因と思う。野菜類など主にもっと子どもたちに(伝統食を)食べてほしい」とメニュー考案の思いを語った。