名瀬・小湊小卒業式

在校生や地域の人に見送られる泉さん

ただ一人の卒業生 保護者、教職員ら祝福
「希望胸に新しい道へ」

県内のほとんどの小学校で23日、卒業式があった。奄美でも各校で式があり卒業生が保護者、教職員らの祝福を受けて、希望に胸を膨らませ学び舎を後にした。

奄美市名瀬の小湊小学校(外戸口浩春校長)では、ただ一人の卒業生が式に臨んだ。同校は現在5年生がおらず、転入生がいないと来年の卒業式は行われない見込みだ。

式では、卒業生の泉沙葉羅=さはら=さんが外戸口校長から、祝福の言葉をかけられ卒業証書を受け取った。泉さんは舞台上から「自分の夢は助産師になることです」と在校生や保護者らの前で宣言して、下壇し着席した。外戸口校長は、同級生がいない中、泉さんが上級生として下級生を引っ張ってきたことに感謝。映画「チア☆ダン」のエピソードを紹介し「つらい時こそ笑顔を忘れないで。笑顔が感動を生む」と励ました。

泉さんは別れの言葉で、「小湊小学校で鍛えた心と体で、希望を胸いっぱい膨らませ新しい道に進みます」と抱負を話した。在校生たちには「新しい校舎に負けないで、新しい伝統を築けるよう頑張ってほしい」と期待した。

卒業生保護者あいさつで父親の淳さんは、地域の人にも感謝し式を迎えたことを喜んだ。沙葉羅さんには、中学生になるとクラスメイトが増えるので「仲間と勉強を頑張っていこう」と話した。

泉さんは小学校生活の一番の思い出について、「みんなで協力して、最後まで頑張った運動会」を挙げていた。外戸口校長は4月以降、新6年生が見込めない状況を「何とか1人でも増えてほしい。クラスも増えるので子どもを呼び込みたい」と話していた。