コア地域にも外来種侵入

外来種ムラサキカッコウアザミの駆除を行ったマングースバスターズ

マングースバスターズ駆除
群生地確認、昆虫トラップ排除も

 環境省と一般財団法人自然環境研究センターの奄美マングースバスターズは28日、奄美市名瀬住用町の奄美中央林道のきょらむん橋付近などでゴミ拾いと外来種駆除を行った。この活動はボランティアで実施され、3年目となる。同バスターズは活動を行った場所が、「世界自然遺産候補地のコア地域だが外来種が侵入している現状を知ってほしい」とした。

 この日はバスターズの龍郷・大和・住用の各支所に所属する11人と環境省奄美野生生物保護センターのアクティブレンジャー1人の計12人が駆除活動に参加。奄美中央林道の住用川上流に架かるきょらむん橋から、宇検村赤土山方面にかけて約8㌔㍍の範囲で、ムラサキカッコウアザミが群生する4カ所に分かれて駆除を行った。

 ムラサキカッコウアザミは、環境省が選定した「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」にリストアップされている南米原産のキク科草本。奄美大島の農地周辺でよく見られる。日当たりの良い場所を好み、中央林道内でも生育が確認されていた。

 きょらむん橋周辺は、昨年も駆除活動を実施。一昨年は橋の上の群生の駆除に合わせ、土砂も除去したので橋の上では今回侵入が確認されなかった。

 橋から赤土山に向かっては、背丈が低いものの新しく生えてきた群生地が確認されていた。そこでバスターズは根を残さず除去し、容量90㍑のポリ袋に詰めて回収。全体で駆除した分は、ポリ袋で25袋分になり、回収されたものは名瀬クリーンセンターに持ち込んで焼却処分するという。

 バスターズでは6年前から、山中で不法投棄されたゴミなどの清掃活動を実施。また森の中で、昆虫トラップなどの排除も行っている。

 3年目となる駆除活動についてバスターズの後藤義仁さんは、「きょらむん橋周辺は国立公園指定されており、世界自然遺産候補地の核心的な地域でもある」とし、「希少な動植物も多いが、外来種が侵入している状況を多くの人に知ってもらいたい」と語った。