喜界町「防災食育センター落成」完成、落成式

喜界町防災食育センターが完成、8日から供用を開始する予定

住民の命守る拠点にも
給食提供・食育学習・防災機能

旧学校給食センターの老朽化にも伴い、防災関連の機能を持ち合せた施設として、喜界町が整備を進めていた「防災食育センター」はこのほど完成し1日、同町赤連の同敷地内で落成式典があった。設計、施工業者、集落区長、学校関係者など約80人が出席。町内幼小中学校に1日約700食の給食を提供するほか、食育学習の場などにも活用、災害発生時は、避難者や支援物資等を受け入れる防災拠点としての機能にも期待が寄せられた。8日から供用開始予定。

建物は地上1階・RC造。敷地面積は2万4135平方㍍、延べ床面積(本体・プラットホーム含む)は1362平方㍍。総事業費(関連工事等含む)は約9億8911万円。国(県も一部含む)からの補助金約4億3757万円を充てた。関係者によると、防災施設を併せた給食センターは奄美群島内で初。全国的にみても現在のところ、数例ほどしかないという。

旧町立学校給食センター(同町湾)は1972年から、今年1月までの約45年に渡り稼働。老朽化も進んでいたことから、新設が待ち望まれていた。今回導入した関連設備により、LL牛乳(ロングライフミルク)から普通牛乳に替わり、食器はPEN食器(ポリエチレンナフタレート樹脂)が採用されるという。

衛生エリアと非衛生エリアとを全体的に区分け、食材については食材のみを受け渡しするパススルーを随所に設置するなど衛生管理を徹底。会議室は、各ミーティングのほか、食育学習時の座学、地域各種イベントなどにも利用が可能となっている。

大規模な災害発生時は、応急給食(炊き出し)3日分の提供を可能に。食材は、米を最大約1・2㌧、水最大10・5㌧(受水槽)備蓄できる。停電時も対応できるよう、自家発電機を設置。地下に燃料タンクを設け、それを利用し3日間継続して発電できる。屋内の照明などへの電力供給に、太陽光パネルを設置。シャワー室も設けられた。

式典で、川島健勇町長は同センターが持つ学校給食、食育学習、避難所機能などの多様な機能の活用に期待も込め「食の安全と、災害時の町民の命を守るという重要な役割を持った施設の能力を十分発揮できるよう、職員一同業務に励んでいきたい」とあいさつ。その後、施設内の見学会、試食会もあった。