殉職警察官の慰霊碑 15年間美化奉仕

徳之島署長から感謝状を受けた奥立みつ子さん=25日、同署会議室

徳之島署、奥立さんに感謝状

 【徳之島】徳之島署(有村和行署長)は25日、徳之島町母間、池間公園敷地にある「殉職警察官慰霊碑」に約15年前から自主的に参拝し、清掃美化奉仕を続けている同地の無職、奥立みつ子さん(80)に感謝状を贈ってたたえた。奥立さんは、70年前の青年警察官3人の果敢な行動を風化させないよう、「元気な限り続けます」と話した。

 1947 (昭和22) 6月21日、徳之島沿岸海上の不審船を捜索中だった警備船が母間沖で機関故障を起こし漂流。沿岸漁民に急を告げようと、率先して本船から漕ぎ出した板付け舟が突風で転覆。奄美市笠利町佐仁出身の宮崎伝熊さん=当時(22)、徳之島町花徳同の熊元知二さん=当時(19)、天城町兼久同の盛昌介さん=同(19)=の3人が行方不明となり殉職。25年後の72年、同公園敷地に慰霊碑が建立された。

 奥立さんは愛犬と散歩中に慰霊碑の存在を知って以来毎月1日、15日の2回、先祖への墓参と併せ、花を手に慰霊碑にも参拝。同公園でのグラウンドゴルフ参加の際も雑草を抜くなど美化作業を続けている。

 署長感謝状の打診に、「好きでやっていますからと、最初はお断りをしていたが、『慰霊碑があることを知って欲しいこともある』と。元気な限り続けたい。私の方こそ感謝です」と話していた。