エコツアーガイド養成で雇用創出

エコツアー商品(ルート)づくりのワークショップも=26日、天城町三京林道

民間チャレンジ支援でNPO主催講座
徳之島地区 開講式と第1回目

 【徳之島】2017年度奄美群島民間チャレンジ支援事業による「雇用創出に繋がるエコツアーガイド育成とツアー商品開発事業」(NPO法人徳之島虹の会主催)の開講式と第1回講座が26日、天城町の三京公民館を中心にあった。座学や現地実習など来年2月まで10回程度の講座を予定。「安全・安心」で「質」の高いガイドの育成による雇用創出、ツアー商品づくりを目指す。

 群島広域事務組合の同チャレンジ支援事業に応募・採択された徳之島虹の会(行山武久会長)が主催。国立公園専門エコツアーガイドの人材育成や、同商品の開発・提供・情報発信の仕組みづくりが目的。併せて、自然環境保全にも高い知識を備え、利用者へ環境教育も推進できるガイド。希少動植物の盗採・盗掘の防止や外来種侵入の早期発見などにも貢献するガイドの育成を目指すという。

 虹の会会員を中心に幅広い世代の受講生20人が登録。虹の会の行山理事長は開講あいさつで「世界自然遺産登録にも向けて一人ひとりがスキルアップし、徳之島のためになるガイドに」と期待を寄せた。

 第1回講座では、環境省徳之島自然保護官事務所の沢登良馬自然保護官が「徳之島の国立公園と世界自然遺産について」をテーマに講義。基本的事項を分かりやすく解説し、エコツーリズムの推進に当たっては「自然観光資源を保全し持続的に利用。〝おもてなし〟の心を持って楽しんでもらうことが前提。地域の関係者全てが協力し、自ら考え行動する視点が基本」と強調した。

 続いて鹿児島大学農学部の平瑞樹准教授の「島嶼=しょ=の自然景観を生かした地域づくりと情報発信」の解説を聴いてワークショップへ。近くの「三京林道」でのツアー商品づくりの検討や、景勝地「犬之門蓋=いんのもんじょう=」海岸でドローン(小型無人機)を利活用した情報発信にも関心を深めた。

 広域事務組合のガイド育成講座にも参加中の元公務員、元田浩三さん(63)=徳之島町金見=は「島外の人たちに島の魅力を伝えるには、住民自らが島の良さ、その価値を知る必要がある。徳之島に住みたいと思わせるガイドを目指したい」と話した。

 第2回は徳之島町山公民館を拠点に小中学生親子夏休みの自由研究と同時開催する。3回目以降は、徳之島など奄美群島をフィールドに調査研究している各専門家を招き、野外研修を中心に計画。来年2月に、受講者個々に国立公園周辺でのガイド実技も実施する。