農産加工の知識と技術習得

フィルム包装を指導する県農業大学校の海老原教授

県主催・奄美市で基礎研修
フィルム包装やビン詰め実習

 県農業開発総合センター農業大学校農村生活研修課と大島支庁農政普及課は27日、奄美市住用町の奄美体験交流館と同市農林産物加工センターで2017年度農産加工基礎研修(入門コース)を行った。奄美大島内の食品加工業者や農業者、関係機関などから約30人が参加し同校教授などから座学や実習で農産加工の基礎知識と技術習得に努めた。

 同研修は、農産加工の基礎となる知識の研修や先進事例などの紹介を通じて、農産加工に対する意識を高め食品加工技術の習得を目的として開催。同校農村生活研修課の徳永仁美参事、海老原涼子教授、田原浩子さんが講義と加工実習を担った。

 講義では、加工機材を活用した農産加工の基礎知識や食品衛生を解説し、県内先進地事例を紹介。参加者は座学の後、農林産物加工センターに移動してフィルム包装やビン詰め加工を実習した。

 フィルム包装は、漬物を真空包装する加工実習。各自漬物100㌘をフィルム(ガスバリア性の高い)の袋に入れて閉じ口をアルコール消毒し、真空包装機で脱気しシールした後、70度の湯に15分つけて加熱殺菌処理を実施。海老原教授は加熱殺菌する際に、均一に温度が伝わるようにシールした袋を湯の中でかき回すが、作業の時に傷つけないよう注意するようにとアドバイスした。

 次に焼き肉のたれを作り、ビン詰め加工を体験。参加者はまず三重釜に材料を入れて、「たんかんマーマレード入り焼き肉のたれ」(みそダレ)を調理した。

 洗浄し煮沸殺菌したビンに出来上がったタレを詰めて、ビンのふたをゆるめに閉めて仮封。そのビンを湯につけて、温度85度以上で20分脱気。参加者は写真やメモを取り、講師陣に質問するなどして加工技術を習得した。