「お家芸」特産マンゴー出発式

完熟マンゴーを手に、収穫の本格化をアピールした関係者=29日、天城町

収穫遅延も高品質アピール
天城町熱帯果樹生産組合

 【徳之島】天城町熱帯果樹生産組合(作山和久組合長、組合員34戸)の今期産マンゴーの出発式(町共催)が29日、同町天城の貞岡孝治さん(72)のマンゴー園であった。同組合の統一銘柄「情熱のかおり・奄美マンゴー」の今期生産見込みは前年比倍増の約30㌧、約1億500万円。テープカットや完熟果の収穫などセレモニーで期待を寄せ合った。

 天城町でマンゴー栽培が始まったのは1985年。一部農家たちの手探りの試験栽培だったが、収益性の高さや町の施設導入補助事業など積極的なテコ入れもあり面積が拡大。県内先駆け産地として32年の同町内全栽培戸数は約60戸、面積約6㌶、今期生産量は約40㌧(約1億2千万円)を見込む。

 町農政課や作山組合長(54)、貞岡さんらによると今期は、暖冬気味の影響で花芽の開花と着果が遅れ、生育が例年より10~20日間ほど遅れている。しかし、果実の肥大化や着色、糖度(現在14~18度)ともに「品質は良好」。生産見込みは例年の「3分の2程度」だが、不作傾向の前期比では「約2倍」に回復しさらに増える可能性も。

 出発式は組合員農家や関係機関・団体の代表ら約25人が参加してあった。作田組合長は「天城町は収穫量が多いので、町のふるさと納税(返礼品)とも連携して販売を促進したい」。大久幸助町長は「町内では、少ない面積で高所得を求める施設利用型の農業を求める人が増えている。マンゴーは天城町の〝お家芸〟。知恵を絞って良い物を作るためには〝実行・専一・継続〟で打ち込むことが大事」と期待を寄せた。

 各代表でテープカット後、樹上のネットに自然落下した完熟マンゴーを収穫。本土向け宅配便の車両を拍手で見送り、出荷の本格化に期待を寄せ合った。

 出荷販売は、例年だと新盆入りの8月10日ごろには終わるが、今期は同下旬を見込む。等級の最高品質「赤秀」、階級「3L」490㌘以上、糖度15度以上―などについては奄美群島プレミアムマンゴー「太陽王(てぃだおう)」で出荷される。

 天城町熱帯果樹生産組合(TEL0997―85―4616)。