大島本島さとうきび生産振興大会

2017年度大島地区さとうきび生産振興大会及び夏植推進式があった。生産量増加、単収向上などの達成に向けて気勢を上げた
受賞者榮さMM
優秀農家表彰で、朝山本部長から賞状を受け取る榮さん(奄美市)、富国製糖㈱からも特別表彰を受けた

生産量・単収増へ気勢
夏植え100㌶目標 定期的な散水を

 2017年度大島本島地区さとうきび生産振興大会及び夏植推進式(大島本島さとうきび生産対策本部主催)が2日、奄美市笠利町の農村環境改善センターであった。生産農家、JA、行政、製糖工場の関係者ら約150人が出席。収穫面積確保による生産量増加、堆肥などによる土づくりで単収向上を目指すことなどを確認。加えて、夏植え面積100ヘクタールの達成などに向け、最後はガンバロー三唱で気勢を上げた。

 開式にあたり、朝山毅本部長(奄美市長)、徳田康光副本部長(龍郷町長)があいさつ。16年産の生産量回復に関し、生産者はじめ関係者らに感謝した上で、引き続き基幹作物のサトウキビの生産量の確保、単収向上に向け、連携した取り組みの推進を呼びかけた。

 富国製糖㈱が、16・17年期の実績などを報告。▽収穫面積555㌶(前期比22㌶減)▽収量2万7799㌧(同7264㌧増)▽平均甘しゃ糖度前期並み(前期14・5度)▽1㌧あたりの農家手取り価格2万3039円(同540円増)。生産量の回復について、「適度な降雨量、台風や病害虫被害が少ないという好条件が重なった」などと分析した。

 今期の生育状況(8月1日現在の調査)については、前期に比べ、夏・春植え、株出しの平均で、茎長18・6㌢の減、茎数1本増。同社有村成生社長は「(前期に比べ)梅雨入り後の5月の雨量が100㍉ほど少なく、5・6月とも平均気温が低く、日照時間も少なく推移したことが影響したものと推察される」とし、ロール現象が見られていることも受け、定期的な散水などを呼びかけた。

 優秀農家表彰もあり、生産量の部で受賞した榮完治さん(56)=生産量1186・098㌧=は、富国製糖㈱からも特別表彰を受賞。同社の創業以来、千㌧を超えたのは初めてだという。

 講演では、県農業開発総合センター・脇門英美農業専門普及指導員が土づくり対策をテーマに話し、単収向上のための▽堆肥の施用、緑肥のすき込み▽土壌PHの適正化―などの対策に加え、継続的に総合的な土づくりの実践の重要性を強調した。

 優秀農家の被表彰者は次の通り。(敬称略)

 【生産量の部】▽奄美市=榮完治(笠利町節田)▽龍郷町=(有)ゆいなす(同町浦、生産量220・942㌧)

 【単収の部】▽奄美市=栄満(同町平、10㌃当たり収量8・45㌧)▽龍郷町=吉田一若(同町赤尾木、同7・52㌧)