遊学塾 in 沖永良部

実技研修「突破でGO!」を体験する参加者ら=和泊町=

体育学習の理解深める
「仲間同士でゲーム学ぶ大事」

和泊町

 【沖永良部】第16回遊学塾in沖永良部(同塾主催、和泊、知名両町協力)が22日、和泊町であった。町内の小学校教諭と同塾メンバーら約20人が参加し、「体育の学習内容とは何か(ボール運動領域から)」をテーマに実技研修や講義に臨んだ。

 体育教育における教師の学びの場を提供しようと、松本大学の濱田敦志准教授らが中心となり2011年から毎年(年2回)行っている。今回は、濱田准教授、上越教育大学の土田了輔教授、日本大学の鈴木理教授、東京学芸大学附属竹早小学校の永末大介教諭らが来島した。

 土田教授が講師を務めた実技研修(会場・和泊小学校体育館)では、5人対5人で行う簡易型タグラグビー風フラッグフットゲーム「突破でGO!」を実施。試合時間は1試合20秒。ルールは▽前方へのパス禁止▽守備側は、ボール保持者(攻撃側)の腰についたタグを取れば動きを止められる―など。

 攻める側はスピードのある選手をおとりに使ったり、ボールを持つ選手を味方4人で囲んだりしながら相手のゴールラインを目指した。休憩時間には各チームで作戦会議が始まり、守る側は「タグを取ると守る方も動けなくなって不利になる」「相手のスピードを遅らせて20秒間守り切ろう」などと話し合った。

 参加した知名町立住吉小学校の栄有佳子教諭は「夢中になってしまった。自分たちが育ってきた時のスポーツと変わってきている。一人一人に役割を与えると全員が楽しめる点に新鮮さを感じた」。

 濱田准教授は「指導する側が教え込む学習ではなく、仲間同士でゲームを学ぶことが大事。参加したメンバーも試合の中で気づいたことを話し合い、作戦として実行していた。今回の体験は小中学校の授業でも活用できる」と話した。

 研修講演と実践交流会は、防災拠点施設やすらぎ館で行われた。「体育の学習内容とは何か」をテーマに講演した鈴木教授は「スポーツの技術や戦術は人類が作ったものであり、作った理由が分からないとスポーツを味わう能力が育たない」「ボールゲームの大部分は『ボールを持たない』で過ごしている。メンバーの役割を決めると、一回もボールに触らなくてもそこにいたことでチームに貢献する人も出てくる」などと述べた。