奄美大島地域農産加工研修

家興所長(左)の解説に聴き入る参加者たち

ゼリーやジャム製造 問題点や対処法も解説

 

講義と実演交えて

 

 大島地域鹿児島の食交流推進協議会と県大島支庁農林水産部農政普及課は18日、地元農産物を活用した新商品開発促進のための「奄美大島地域農産加工研修会」を龍郷町の島育ち産業館加工室で開いた。研修会は、ゼリー・ジャムなどの加工・商品化までを意識した実践的な内容で、参加者らはメモを片手に真剣な表情で講師の話に耳を傾けた。

 同研修会には、農産物加工に特化した「あまみならでは食魅力アップネットワーク」の会員や関係者を中心に、約40人が参加。講師に、ゼリーなどの凝固剤「ゲル化剤」を製造・販売する㈱富士商事九州営業所の家興=やおき=敏也所長を迎えて、講義と実演を交えた専門的な知識や加工技術を学んだ。

 前半は「ゼリー等に使用される凝固剤・増粘剤の種類と特徴について」をテーマに講義。ゲル化剤の用途や特徴をはじめ、凝固の分離原因、賞味期限延長のための製法など、ゼリーやジャムの製造に関する問題点や対処法を交えて詳しく解説された。

 続く後半の実演では地元産の亜熱帯果実類を素材に「マンゴーゼリー」「パッションゼリー」「キビ酢ゼリー」の3品を手順を追って調理。ゲル化剤による凝固の違いや、撹はん・加熱方法、機械を使った充填・加熱殺菌・冷却までが丁寧な解説を交え次々と実践された。

 研修会に参加した、奄美市名瀬生活研究グループの鶴ひろみ会長は、「実践的な研修は応用もできてとてもありがたい。今後、機会があれば取り組んでみたい」と意欲を述べ、県大島支庁農政普及課の有村百合子技術主査は、「龍郷町、大和村、住用町には商品化のための機器や施設はすでに整っている。(今回学んだ知識を生かして)ぜひ、一歩踏み出したチャレンジをしてほしい」と期待を語った。