関西で盛大に「奄美音楽祭」

奄美代表するアーティスト集結

ホールに漂う故郷の香り

関西奄美会創立100周年記念「奄美音楽祭」(主催 : 関西奄美会 奄美音楽祭実行委員会)が15日、兵庫県尼崎市の「あましんアルカイックホール」で奄美を代表するアーティストが集結、1300人を集め盛大に開催された。ロビーでは島口が交わされ、物産品を販売。故郷の香り漂うホールで繰り広げられた、熱いひとときを写真特集で振り返る。

奄美の音楽を求めて朝7時から並んだ人を先頭に席が埋まっていく。「雨の降る寒い日にもかかわらずあの長蛇の列を見たときは、これまでの実行委員の頑張りがこの結果になったのだと心底思いました」(栄忠行実行委員長)。

緞帳が上がり、奄美の自然を紹介する映像にたちまち起こった万雷の拍手で、一大音楽祭は幕を開けた。関西奄美青年部が「奄美よさこい絆」で来場者を歓迎。多伽羅尼 =たがらに=: みずき・はずきさんが妖艶に舞う。前山真吾さんは、のびやかにシマ唄を熱唱、大山百合香さんはしっとりと歌った。土岐宏大さんと絶妙な司会を務めた牧岡奈美さんは「喜界島セッション」としても歌い上げた。

「こんなにすごいメンバーが集まるとは」(タナカアツシさん)。出演者自身が驚くほどの豪華ラインナップ。サーモン&ガーリックwithアニョがコミカルに沸かせる。そして後半は、中孝介さんと元ちとせさんのユニット「お中元」が、「春の行人」を披露。季節外れの贈り物に、会場は喜びに包まれた。「これからも関西奄美会が続くように」と、中さんが「花」を優しく響かせると、元さんも「この曲があってこそ、皆さんの前で歌え続けた」と「ワダツミの木」に心を込めた。

ステージはさらに加熱する。キャッチ&リリースに続いて、寿里さん、安田竜馬さんが熱い唄でメッセージを体現。内三千代さんがパワフルに躍動すれば、それを禎一馬さんが、徳之島の息吹で受けていく。その後、カサリンチェが巧みなリズムで入場。ヒューマンビートボックスの「行きゅんにゃ加那」で仕上げた。

ほか、里朋樹さんと里歩寿さんの兄妹、RIKKIさん、nadaさん、dokidiki(KODAIO)が出演した。それぞれのアーティストが起こした群島の風は、やがて奄美全体の嵐となって吹き、故郷と会場を強くつないでいった。

最後は、出演者全員が再登場。手拍子、鳴り止まないハトの響きのなか、ステージになだれ込んだり、その場で踊る人たちが続出。島の歴史と繁栄を支えてきた唄を絆にアーティストとひとつに。関西奄美会の100年の歴史は、確かに未来につながった。


クライマックスの六調が始まると、観客も舞台になだれ込み一緒に喜びにわいた

実行委員会スタッフからは、毎年やりたいの声があり、栄忠行実行委員長は80点の祭典だとか

朝7時から並んだ仲良しグループ。左から神崎のりえさん(大阪・堺市)、鈴木麻実さん(静岡・浜松市から始発で来た)恵上莉沙さん(大阪・大東市)は指で1・0・0と100周年を祝ってポーズ

ストイックに真っ直ぐにシマ唄と向き合う前山真吾さんの伸びやかな声は世界からも注目される

サーモン&ガーリックwithアニョは笑いたっぷりにシマ唄をアレンジし、大いに観客を沸かせた

沖永良部出身で広島で活動している大山百合香さんは、大人の雰囲気で魅了した

牧岡奈美さん、タナカアツシさん、スティーブ・エトウさんの競演に、関西女性部が手踊りで華を添える

代表曲ワダツミの木を奇跡の声で熱唱する元ちとせさん

シマ唄にルーツを持つ二人による「春の行人」が聞く人を引き付ける

語り掛けるように丁寧に「花」を熱唱する中孝介さん

音楽の素晴らしさを語りあう司会の土岐宏大さん、牧岡奈美さんとお中元の2人

華やかさの中にもパワフルさで徳之島の唄を発信する内三千代さん

貫録たっぷりの風格から島の心や歌の楽しさを伝える禎一馬さん

タツヒロのアコギとコウスケのヒューマンビートボックスで観客を引き付けるカサリンチュ

アメリカン・トライバル・ベリーダンスを踊るダンストゥループの多伽羅尼 : みずき・葉月さん