2週連続台風 各方面へ影響

台風22号の接近に備え、約40隻の船が係留されている名瀬漁港

宿泊キャンセル相次ぎ流通は品薄状態

水産業、出漁できず

先週末に日本列島を横断した「超大型」台風21号に続き、22号が29日から30日にかけて、列島に接近する見込みだ。直近の進路予想では、奄美地方にも接近し、周辺を北上するとみられている。それに伴い、29日に瀬戸内町加計呂麻島で開催が予定されていた伝統行事「諸鈍シバヤ」など、各地のイベントは相次いで中止。観光面に目を向けると、宿泊客のキャンセルが出ているほか、航路の欠航により、流通にも影響が生じており、2週連続の台風に各関係者が頭を抱えている。

台風22号の接近に伴って、鹿児島と沖縄を結ぶ航路では、27日の上り下りの定期便が欠航。また、空路でも27日、群島内を結ぶ便を中心に、条件付きの運航となるなど交通に影響が出た。

2週続けての台風に、各関係者は頭を悩ませている。瀬戸内町では、台風の接近を見込み伝統行事「諸鈍シバヤ」の初めての中止が決定。町内のホテル関係者は「(シバヤの)中止で宿泊者が減ってしまって残念」。また別の宿泊施設でも、イベント中止で団体客を中心に約30人のキャンセルが発生、「1年に1回の来島を楽しみにされていた。2週連続の台風は、観光関係者にとって痛手だろう」とため息をもらした。

船便の欠航により、流通にも影響が出ている。奄美市名瀬のいずみストアでは、台風接近をにらみ、定期便での入荷量を従来より増やしたが、特に食料品の中で、乳製品や野菜類など品薄状態の商品が出てしまうことを懸念。担当者は「通常便で取りためしてはいるが、牛乳、豆腐、鮮魚などは無くなってしまいそう。やはりお客様に迷惑がかかり、良いことは何一つない」と話した。

このほか、水産業関係にも影響が。奄美市の名瀬漁港では、22号の接近に備え、約40隻の船をロープで係留。また、21号の接近を見据えて陸揚げした船の一部をそのままにするなど、生じている漁への影響に落胆する。漁協関係者は「9月~11月は戻りカツオなど脂が乗った上物の魚がおいしい時期。魚屋さんも頭を悩ませているはず」と残念そうに語った。