奄美地方暴風域入り

台風の強風で根本から倒れた電柱=和泊町午後5時ごろ=


台風22号の影響で押し寄せる波=和泊町午後3時ごろ=

台風22号

与論で最大瞬間風速41.2㍍観測

1万8100戸停電

台風22号は28日午後6時現在、奄美地方を暴風域に巻き込みながら、奄美大島の南西約100㌔を時速約30㌔で北に進んでいる。奄美地方が暴風域を抜けるのは南部が29日未明、北部が明け方の見込み。

同日同時現在、中心気圧は975ヘクトパスカル。中心付近の最大風速は30㍍。最大瞬間風速は45㍍。中心から150㌔の範囲で風速25㍍以上の暴風が、北側560㌔、南側390㌔の範囲で強風が吹いている。

名瀬測候所の発表によると、27日午前3時から同日午後3時までの総降水量は、与論島で149・5㍉、天城で143・0㍉、和泊町で123・5㍉を観測。同日同時から29日午後6時にかけて予想される雨量は多い所で、1時間に70㍉。24時間で200㍉となっている。

与論島では同日午前11時24分、最大風速(最大瞬間風速)26・2㍍(41・2㍍)の非常に強い風を観測。29日にかけても北部南部ともに27㍍(40㍍)の非常に強い風、7㍍のうねりを伴った高波が予想されている。

県大島支庁は同日午前7時49分に災害警戒本部を設置。群島内では同日午後6時までに11町村が同本部を設置した。同日同時現在、人的、住家被害ともにまだ確認されていない。与論町と喜界町は避難準備・高齢者避難開始情報を発令。市町村ごとの自主避難者数は▽与論町25世帯36人▽大和村11世帯12人▽奄美市1世帯2人▽瀬戸内町1世帯1人▽喜界町1世帯1人―となっている。

また、九州電力㈱奄美配電所によると同日同時現在、奄美大島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島で約1万8100戸が停電している。同社は奄美地方南部3島について、暴風域通過後の現場確認に向け待機中としている。

空の便、海の便にも影響が出ている。JALグループは同日、奄美群島離発着便52便を欠航、鹿児島―徳之島間1便を鹿児島空港に引き返した。バニラ・エアは奄美大島離発着の全便を欠航。29日の便についてJALグループは、全ての便の運航に影響が出る可能性があるとして、出発前の最新の情報の確認を呼び掛けている。バニラ・エアは全便を条件付き運航または天候調査中としている。

同日同時現在、すでに欠航が決まっているフェリー、定期船は次の通り。

【欠航】▽クイーンコーラルプラス=29日上り那覇発▽フェリー波之上=30日上り那覇発▽フェリーかけろま=29日全便▽定期船せとなみ=29日全便