喜界で大島地区青年農業者会議

2017年度大島地区青年農業者会議が喜界町であり、奄美大島と喜界町の青年農業者らが集い、情報共有を図った

経営改善の成果発表

 

室内研修に現地視察も

 

 2017年度大島地区青年農業者会議(大島地区農業青年クラブ連絡協議会など主催)が9日、喜界町役場多目的ホールであった。初日は室内研修が行われ、奄美大島、喜界島の農業者4人が意見発表。就農後間もない時期での苦労体験や、経営の改善課題に関する成功事例などを語り、質疑応答などして互いに情報共有を図った。また、宮崎県の農業生産法人の代表者による講演もあった。

 同会議は、青年農業者の経営改善に向けた取り組み(プロジェクト活動)の成果発表、先進事例等を学んだり、相互交流を深めることなどを目的に例年開催され、同日は2島の農業者や関係行政機関、団体担当者など47人が出席した。

 喜界町でカボチャやゴマを生産している中山義浩さんは、最初の失敗後に掲げた春のカボチャの生産30㌃・30㌧収穫の目標に向かい、アドバイスを基に自分に合った作り方を探し、参考項目を取り入れ達成。「農業は1人ではできない。先を見て考え行動することが大事だと学んだ」などと話した。

 就農3年目、宇検村でマンゴー、菌床シイタケなどを栽培している杉浦陽紀さんは、ハウスを数日間締め切ったため、マンゴーの実が日焼けし、商品としてほぼ出荷できなかったという失敗エピソードを紹介した。そのような経験も糧に、来島者向けの農業体験サービスを展開。収穫してもらった実を食べてもらい、加工品のフルーツソースを持って帰ってもらい好評を得ており、観光農業化への手ごたえを語った。

 経営を改善させた取り組みについて、喜界町の幸久徳さんは、カボチャの慣行品種(えびす)と新品種(味早太)を考察。各品種の特性を知り、摘心方法に関しても検討し、その特性(通常摘心区と2果目摘心区)を知ることができ、今後の品種ごとの導入に意欲を示した。

 笠利町にIターンし、パッションフルーツなどを栽培している渋谷丹さんは、土づくりを課題に挙げ、作物の生育状況を参考に、土壌診断を実施。炭酸カルシウムなどを投入し酸度矯正も行い、適正と考えられるPHに改善させたことで収量向上につながった事例などを紹介した。

 同日は、宮崎県串間市でサツマイモの生産、加工販売などを手掛ける㈱くしまアオイファームの池田誠代表を迎え、「強い農業はこえていく」の演題で講演も行われた。

 2日目は、現地研修があり、喜界町の青年農業者3人の栽培飼養状況などの視察が行われた。